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【二国間クレジット制度】NEDOがインドネシアで実施した3実証事業、26,541tのクレジットを日本政府が獲得

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 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、気候変動対策の一環として、2013年度から二国間クレジット制度※1(The Joint Crediting Mechanism、以下、JCM)を活用して、日本の低炭素技術・システムによる実証事業※2をJCMパートナー国などで行い、実証事業による温室効果ガス排出削減効果を定量的に評価し、日本の国際貢献を発信してきた。2013年にインドネシアとの間でJCMが開始されて以来、NEDOは3つの実証事業を実施してきており、いずれの事業においても温室効果ガス排出量の削減を達成し、インドネシアからも日本の貢献を高く評価されている。
 今般、NEDOが2013年度から2018年度までインドネシアにおいて実施した3つの実証事業について、JCMプロジェクトとして、クレジットが発行された。2013年にJCMを開始して以来、同国との間でNEDOの実証事業として初のクレジット発行となる。
 日本とインドネシアの間で実施されるJCM合同委員会によって承認され、合計CO2排出量37,836tのクレジットが発行され、日本の貢献分として、うち26,541tを日本政府が獲得した。
 2015年にパリ協定が採択され、途上国含めすべての国がNDC(Nationally Determined Contribution)を策定し、国内外の温室効果ガス排出削減の取り組みがますます重要となる中、NEDOは日本の低炭素技術・システムの海外への普及促進と地球規模での温室効果ガス排出量削減に貢献していく。

実証事業の詳細
(1)動力プラント(ボイラー、タービン設備)への運用最適化技術の適用
 (実施期間:2014年度~2018年度、実施者:アズビル(株))
 本実証事業は、高度最適化技術の1つである「連携制御」を導入して、製造設備側へ蒸気や電力を安定供給した上で個々のボイラーやタービンの負荷を最適に制御し、動力プラント全体でのエネルギー消費を最小化するもの。本技術は、エネルギー消費の多い製油所の動力プラントに適用され、省エネルギー効果や温室効果ガス排出量削減に有効であることが実証された。
(2)石油精製プラントの運転制御最適化による省エネルギー
 (実施期間:2013年度~2018年度、実施者:横河電機(株))
 本実証事業は、高度制御の一種である多変数モデル予測制御により、石油精製装置のエネルギー効率が最適となるような自動運転制御を実現するもの。本技術は、製油所の水素化分解装置に導入され、省エネルギー効果や温室効果ガス排出量削減に有効であることが実証された。
(3)インドネシア共和国における携帯電話基地局へのトライブリッド技術導入による低炭素化プロジェクトJCM実証事業
 (実施期間:2017年度~2018年度、実施者:KDDI(株))
 本実証事業において携帯電話基地局に導入したトライブリッドシステムは、太陽光パネルにより発電された電力と、リチウムイオン電池に充電された電力、ディーゼル発電機で発電された電力、商用電力を、基地局の電力負荷と電力供給状態に応じて制御するもの。これにより、ディーゼル燃料消費量と温室効果ガス排出量を削減することができるとともに、より長時間の安定した通信環境を構築することが可能となった。

<注釈>
※1 二国間クレジット制度(JCM)
 JCMパートナー国と協力して温室効果ガスの排出削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度。
※2 実証事業
 事業名:民間主導による低炭素技術普及促進事業
 事業期間:2011~2022年度
 予算:10億円(2019年度)
 事業概要は以下参照。
 民間主導による低炭素技術普及促進事業

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