【3Dプリンティング】住友商事、金属用粉末製造企業Elementum 3Dへ出資

　住友商事（株）は、米州住友商事会社（以下総称して「住友商事グループ」）を通じて、セラミックを利用した金属3Dプリンティング用粉末を製造・販売する米国スタートアップ企業Elementum 3D, Inc（本社：米国コロラド州、CEO：Jacob Nuechterlein、以下「Elementum 3D」）に出資した。
　3Dプリンティングは、設計データをもとに、一層ずつ材料を積層していくことにより、立体モデルを製作する工法。アルミ合金は、軽量・高熱伝導性・高耐食などの特性により幅広い用途に用いられるが、従来の技術では十分な製品強度を実現できず、3Dプリンティングに使用することは難しいと言われてきた。
　Elementum 3Dは、金属粉末に特殊なセラミックを混合した製品を販売している。プリンターで焼き固める際に生じる化学反応により、アルミ合金やニッケル合金なども3Dプリンティングで使用することができる。同社の製品は、短時間の造形を可能とし、さらにセラミックとの融合により密度が高まることで製品強度が大きくなるため、鍛造品と同等の機械特性を実現できる。Elementum 3Dは、衛星部品などの宇宙産業、自動車エンジンなどの自動車産業に既に販売実績があり、今後は、航空機市場や石油・ガス業界への進出を検討中。
　住友商事グループは、テクノロジーの急速な発展により産業構造が大きく変化するビジネス環境下において、既存ビジネスの高度化、新規ビジネスの創出、ビジネスモデルの変革を図っていう。本件は素材・製造におけるイノベーションの一例で、Elementum 3Dへの出資を通じ、将来的に成長が期待できる金属材料系3Dプリンティング市場に対し、同社販路を活用した同社製品の拡販、およびグローバル展開を追求していく。