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【CO2分離回収試験装置】東芝エネルギーシステム、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ向けに納入。食品や飲料へのCCUに向けCO2高度洗浄処理技術を提案

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 東芝エネルギーシステム(株)は、アサヒグループホールディングス(株)の独立研究子会社であるアサヒクオリティーアンドイノベーションズ(株)(AQI)向けに、CCU(CO2の分離回収・利用)のためのCO2分離回収試験装置を納入した。試験装置はアサヒグループ研究開発センター内に設置され、同センターのボイラ設備から発生する排ガスからCO2を分離回収する。
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 CO2分離回収設備は、火力発電所や清掃工場などから排出されるCO2を回収するための設備。東芝エネルギーシステムは、あらゆる排ガスに適用でき、かつCO2の回収規模が任意に設定可能な化学吸収方式による燃焼後回収技術を採用している。本方式で用いる水溶液は、低温時にはCO2を吸収し、高温時にはCO2を放出するという特性を有しており、その特性を活用してCO2を分離回収する。
 東芝エネルギーシステムはこれまでに国内で試験装置も含め4件の納入実績があり、5件目にあたる本件では、取り出すCO2の純度をより高める、同社独自で開発した高度洗浄処理技術が採用されている。
 アサヒグループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」を策定し、2050年までに事業活動における温室効果ガス排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を目指している。そこでAQI社では、本試験装置により、回収したCO2のグループ各事業会社での食品や飲料への利活用を念頭に、信頼できる低コストのCO2分離回収システムをグループ内に導入するための検証を行う。
 東芝エネルギーシステムは、今回得られる知見を反映し、今後アサヒグループに対して大型化含め継続的に提案を進めていく。
 海外では大規模なCCS(CO2の分離回収・貯留)/ CCUの設備注1が19か所稼働注2しており、多くのプラントが計画・建設準備段階にある。また、規模の小さい設備は既に多数存在する。
 国内では、CCS実用化に向けた実証事業が行われている一方、CCUについても、2019年6月に経済産業省が、CO2を資源として捉え、これを分離・回収し、多様な炭素化合物として再利用するカーボンリサイクルについて技術ロードマップを策定するなど、イノベーションの加速化の気運が高まりつつある。
 東芝エネルギーシステムは今後も多様なCCUS(CO2の分離回収・利用・貯留)ニーズへのCO2分離回収設備の技術開発を進め、国内外での受注拡大を図り、地球温暖化防止に寄与していく。
注1 石炭火力発電対象では年間80万トン以上の、産業分野や天然ガス火力発電対象では年間40万トン以上のCO2を、分離・貯留/活用するもの。
注2 出典 Global CCS Institute, Facilities Database, 2019年11月末時点。


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