DIC(株)は、同社の子会社であるDICグラフィックス(株)と、速硬化技術により汎用性を高めることを可能にした無溶剤型接着剤"DUALAM(TM)"(デュアラム)を開発した。さらに、同製品を利用した新規無溶剤ラミネーションシステムを富士機械工業(株)と共同開発した。
“DUALAMTM” の利用用途イメージ
地球温暖化や気候変動など世界的な環境問題への関心の高まりから、包装材や接着剤業界においても環境負荷低減の取組みが活発化している。同社グループは、VOC(揮発性有機化合物)やCO2排出量削減に寄与する無溶剤型接着剤を既に開発しているが、従来型製品は接着剤の硬化速度と経時での加工安定性のバランスをとることが難しく、実際に使用できるパッケージ用途が軽包装材料などに限られ、汎用性を高めることが困難であった。
今回開発に成功した速硬化型無溶剤接着剤"DUALAM(TM)"は、以下の優位性を有している。
・汎用無溶剤接着剤に比べ適用できる層構成が拡大
・速硬化による養生時間の大幅な短縮
・接着剤の使用可能時間(ポットライフ)の延長
・VOCやCO2排出量削減に貢献
・意匠性の向上
・3層以上のラミネート構成を連続的に加工
提供価値の比較
今後はパッケージングコンバーターである日本パッケージング(株)の協力のもと、多種パッケージ用途での実用化に向けたテスト運転を開始し、2020年に上市、2025年に全世界で売上高90億円を目指す。