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【軟包装グラビア】世界初の品質判定ガイドライン、2月から有償頒布開始

 全国グラビア協同組合連合会(全グラ)は、『品質判定ガイドライン~軟包装(インキ抜け)~』(A4判カラー印刷、本文54ページ)を作成、購入申し込み予約を開始した。
 食品包装に使用される、プラスチックフィルム等から構成されるフレキシブルパッケージ(柔軟性のある軟包装)印刷物においては、小売販売を手掛けるコンビニ、スーパーなどの販売競争が激化しているため、本来の包装、情報伝達の機能上は全く問題ない包装物が、印刷不良と判定され、捨てられている。しかも、その印刷不良は、印刷の腕が悪いからではなく(日本のフィルム基材へのグラビア印刷の技術レベルは世界でトップ)、確率上、どうしても発生するものであり、もちろん、一般消費者の目では判断しにくく、虫眼鏡で判別できるという異常な検査によりはじかれている。こうした異常なまでの品質検査基準は、本来であれば、それに必要な検査装置の費用、検査員の人件費、結果としての歩留まりの悪さから、印刷コストの上昇を招くはずだが、現実には、印刷コストは上がらず、軟包装印刷業者の経営を圧迫している。いわば、大手量販店、そこに資材を提供している大手商社は、適正なコストを支払わずに、過剰な品質基準を押し付け、印刷業者間の疑心暗鬼をうまく利用し、競わせ、自分たちの利益のみを追求しているのが実態。しかし、こうした実態が放置されたままでは、早晩、安値で軟包装印刷を引き受ける印刷会社の倒産や、安値受注拒否から、印刷の引き受け手が日本からはいなくなるという最悪の結果を招きかねない。
 そこで、全グラの組合員企業とアウトサイダーである大手中堅コンバーターの有志が集まり、3年間にわたり、印刷業者、食品メーカー、流通が、客観的に印刷不良かどうかを判断するためのガイドラインの作成に取り組んできた。この試み、世界初のものだ。
 今回、第一弾として、フィルム製造時に発生する(ゼロにはできない。それらを未然に防ぐには、検査を強化し、不良品をはじく必要があるが、それは膨大な資源の無駄を招く)異物に起因して発生する印刷不良、インキ抜けについての『品質判定ガイドライン~軟包装(インキ抜け)~』を作成した。A4判カラー印刷、本文54ページで、綴じ込みとして、軟包装インキ抜けサンプル3 枚(OPP40μm にデジタル印刷後、ニス加工)、付録として、CMYK+Wの各インキ抜け品質判定シート(PET100μm にデジタル印刷後、両面PPラミ)が付いている。
 1部当たりの頒布価格は、全国グラビア協同組合連合会 傘下組合員が3,240 円(本体価格3,000 円+消費税)、その他・一般が5,400 円(本体価格5,000 円+消費税)。いずれも送料は別途加算される。
 現在、予約注文を受け付け中で、2 月10 日より順次出荷される。
 申し込みは、全グラHPのPDFに必要事項を記載して、全グラにFAXすること。
 『品質判定ガイドライン~軟包装(インキ抜け)~』の目次は次の通り。
・品質判定ガイドライン発刊にあたり
・はじめに
・軟包装パッケージの品質基準と業界の現状
 背景・目的
 フィルム起因のインキ抜け
・軟包装業界の品質判定基準
 フィルムメーカーの実力値
 欠点検査機の運用上の精度限界について
 絵柄を考慮した品質判定定義
・ガイドラインの運用方法
・補足資料
 フィルム製造工程分類別不良一覧(例:Tダイ二軸延伸製造工程図)
 フィルムの不良名称、及び発生メカニズム
 インキ抜け実例集
 製造工程図(例)
 グラビア印刷の原理
 グラビア印刷加工における不良名称定義
 フィルムサンプルによる不良見本
 欠点検査機の原理


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