OKIグループの電線事業会社OKI電線(社長:小林一成、本社:神奈川県川崎市)は、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所(所在地:長野県木曽郡、以下 東京大学木曽観測所)へ、新観測装置「トモエゴゼン」の超高感度CMOSセンサーに接続されるフレキシブル基板注1(以下、FPC)を納入した。「トモエゴゼン」は2019年10月より本格稼働を開始している。
新観測装置「トモエゴゼン」は、短時間に変わり行く宇宙の姿を探求することを目的とした、世界初の天文用広視野動画カメラと人工知能ソフトウェア群からなる観測統合システム。その広視野動画カメラには超高感度CMOSセンサーが合計84台搭載され、それぞれのCMOSセンサーに対し、脱着可能な接続構造を持ちつつ狭小スペースで折り曲げ可能な配線材が必要となる。
OKI電線は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発する人工衛星用の長尺FPCをはじめとし、東京大学アタカマ天文台(チリ共和国アタカマ高原)の口径6.5m世界最高水準の大型赤外望遠鏡に長尺高速伝送FPCを提供するなど高信頼性が必要となる宇宙航空分野に実績があることから「トモエゴゼン」の開発にも協力してきた。FPCの最大の特長は薄さと柔らかさで、曲げてもその電気特性は変化せず、性能を発揮できるというメリットがある。OKI電線は超高感度CMOSセンサーの配線材として、この特性を活かした脱着可能な接続構造のFPCを提案し、採用された。
宇宙のさまざまな現象を動画で撮影できる「トモエゴゼン」の本格稼動により、爆発直後の超新星や地球に衝突する恐れのある小惑星など、科学的に重要な天体現象が多く含まれる未知なる宇宙の解明に貢献することが期待される。
OKI電線はこれからも、宇宙航空分野をはじめ、様々なニーズに対応した商品開発に積極的に取り組んでいく。「トモエゴゼン」が搭載された105cmシュミット望遠鏡
「トモエゴゼン」の超高感度CMOSセンサーとセンサーに接続されたフレキシブル基板
センサーに接続されたフレキシブル基板(*画像は東京大学木曽観測所提供)
【用語解説】
注1:フレキシブル基板
フレキシブルプリント配線板のことで、FPC(Flexible printed circuits)とも呼ばれる。
【リリース関連リンク】
「東京大学木曽観測所トモエゴゼンの観測運用の開始について」
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/NEWS/pr20190930/pr20190930.html
※ 沖電気工業株式会社および沖電線株式会社は、通称を「OKI」「OKI電線」とします。
※ その他、本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。