セイコーエプソン(株)(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、富士見事業所(所在地: 長野県諏訪郡富士見町)に『インクジェット イノベーションラボ富士見』を開設、10 月より本格稼動を開始する。同施設では、インクジェット(IJ)技術の工業応用を促進するべく、広く研究機関や企業と連携して研究を行う。IJ技術が応用できる新たなアプリケーションやニーズを開拓して、IJ印刷の新市場を創出し、エプソンのIJプリントヘッドの産業利用を加速させていく。
エプソンは、長期ビジョン「Epson 25」の第2期中期経営計画において、基本方針1つとして「資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成長加速」を掲げている。特に、IJ イノベーションにおいては、PrecisionCore を中心としたコアデバイスを用いたIJプリント ヘッドの外販ビジネスとオープンイノベーションの強化を目指す。
『インクジェット イノベーションラボ富士見』の開設は、その具体的な施策の1つ。同施設には、エプソンのIJヘッドを搭載した IJ 描画装置や IJ 吐出評価機をはじめ、電子デバイスの 試作および評価を行うことができる一連の設備を備えている。同施設の利用者は、さまざまな用途へのIJ技術応用の可能性を、エプソンのノウハウも活用しながら探索できる。
今後、タッチセンサーや OLED などの各種デバイスにおいて、プリンティングによる生産方法は拡大すると期待されている。エプソンは同施設を拠点として、IJ技術を用いた生産プロセスの 革新や、IJに適合した新素材の開発などに取り組む研究機関や企業とともに、IJ技術の応用範囲を拡大していく。また、本施設における活動を通じて得た知見を蓄積し、特に産業 用途向けのIJ゚リントヘッドを一層進化させていく。
同社 執行役員 技術開発本部副本部長の細野 聡は、同施設の開設にあたり、次のように述べている。 「私たちは、印刷性能・環境性能・インク対応性などに強みを持つエプソンのインクジェットプリントヘ ッドを軸としたソリューションの提供により、お客様の印刷・生産プロセスを革新することを目指してい ます。そのために、この『インクジェット イノベーションラボ富士見』を第一歩として、私たちと同じ 志を持つ多くの方々と出会い、ともにイノベーションを生み出す場を広げていきたいと考えています」
エプソンは、インクジェットをはじめとする独自の技術を生かして、社会課題の解決や持続可能な社会 の実現に寄与する新しい価値を創造していく。
<施設の概要>
■富士見事業所の概要(2019 年 3 月 31 日時点)
名称: | インクジェット イノベーションラボ富士見 |
稼働時期: | 2019年10月 |
延床面積: | 約225m² |
所在地: | 〒399‐0293 長野県諏訪郡富士見町富士見 281 |
事業内容: | 半導体事業、センシング機器事業、研究開発、生産技術開発 |
土地面積: | 247,143 m² |
操業年: | 1980 年 |
富士見事業所インクジェット イノベーションラボ富士
IJ描画装置