(株)村田製作所は、業界最高水準（*1）の電池容量を持つ全固体電池を開発した。
*1 2019年6月、同社調べ。
製品は同社の主力製品である積層セラミックコンデンサや多層デバイスなどで培ったプロセス技術と、最先端の電子部品を開発する中で蓄積した多様な材料技術を組み合わせて開発された。一般的な電池で使用する電解液の代わりに、酸化物セラミックス系電解質を使用したことで、「燃えない」「熱に強い」特性を有している。
小型かつ高エネルギー密度を実現し、過酷な環境下でも高いパフォーマンスを発揮する同製品は、これまで実現が難しかったウェアラブル機器のさらなる小型化や信頼性の向上に貢献する。また、従来のリチウムイオン二次電池と比べ、優れた安全性・耐久性を実現しているため、特に高い安全性が要求され、長時間の利用が前提とされるワイヤレスイヤホンなどのヒアラブル機器（*2）や広がりをみせるIoT社会の多様なニーズに対応し、豊かな社会の実現に貢献する。
*2 ヒアラブル機器:ウェアラブル機器の中でもワイヤレスイヤホンなど耳に装着するもの。
代表取締役 専務執行役員 モジュール事業本部 本部長 中島 規巨は以下のように述べている。
「同社の技術を結集し、公表されている従来型の全固体電池と比較して大幅な大容量化を実現しました。同社は信頼性の高い製品を安定して供給する生産体制を構築し、誰もがどのような環境でも安全に電子機器を使える世の中の実現に貢献していきます。」
一般的な二次電池領域と本製品のターゲット領域
*3 SMD: Surface Mount Device（表面実装部品）の略。ペースト状のはんだを塗布した基板表面へのスムーズな実装が可能な電子部品を指す。
■全固体電池の概要
生産拠点は村田製作所の野洲事業所（滋賀県野洲市大篠原2288番地）。 生産個数は2020年度中に約100,000個／月を予定 。