BASFのウルトラゾーン® E6020Pが、英国ロンドンの水処理会社、Pentair社に採用され、清潔で安全な水の生産が可能になった。
BASFの高性能ポリエーテルスルホン(PESU)を使用した限外ろ過(UF)膜は、飲料水の浄化に使用される。Pentair社では、上流から下流までの給水ライン全体、特に公共施設の配水システムに使用されている原水膜や病院の感染対策用の特定用途向けのフィルターなど幅広いクロスフロー水処理に、BASFの高純度PESU樹脂を採用している。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなUF膜に一般的に使用される他の材料とは対照的に、ウルトラゾーン® E6020Pは、高流量と狭い孔径分布を有している。これにより、UF膜は、飲料水の基準に合わせ、寄生虫、細菌、さらにはウィルスまで確実に除去するため、ろ過後に飲料水をさらに過塩素化する必要がない。
送水管用UF膜
Pentair社はウルトラゾーン® E6020Pを使用して、病院、保健所、ホテルなどの公共施設向けのろ過システム用のクロスフロー膜を製造している。ウルトラゾーン® E6020Pを使うことで、居住者の深刻な健康問題につながる、水道管内のレジオネラ菌やシュードモナス菌などの病原性水系細菌の汚染を防ぐ。ウルトラゾーン® Eを基材とすることで、UF膜に狭い孔径分布を実現できるため、バクテリアや真菌を含まない清潔で安全な飲料水を低圧で大量処理生産する、非常に効率的な方法が可能になった。逆浸透(RO)システムのような他の水処理システム、ボイラー、製氷機および水冷却器にも応用できる。
感染対策用UFフィルター
BASFのPESUを感染対策用UFフィルターに使用することで、容易にかつ確実に、人を水性細菌から保護することができる。特に病院や医療施設向けのシャワーヘッド、蛇口用の独自のフィルターは、重症患者病棟、集中治療室、手術室などのリスクの高い場所向けのフィルターにも使用できる。これらは、ウルトラゾーン® E6020Pで作られた微細な孔を有する中空糸UF膜でできている。これにより、非常に細かいフィルターが形成され、バクテリアや真菌を確実に吸着させ、水系感染症を防ぐ。ウルトラゾーン® Eは、高いろ過効率と、非常に高い生産性、すなわち高流量を有する膜を可能にする。
ウルトラゾーン® Eは、ゲルおよびオリゴマーの含有量が少ない、安定的な膜製造プロセスを確実にする高純度材料。酸、次亜塩素酸ナトリウム、苛性ソーダなどに対する耐薬品性に優れているため、汚れにくく、洗浄も容易。繊細な細孔構造を損なうことなく、過熱蒸気(134℃)、エチレンオキシドおよびガンマ線による反復滅菌が可能。
本材料は、劣化することなく、広いpH範囲(0~13)で使用できる。米国食品医薬品局(FDA)および欧州の反復使用時の食品接触に関する基準に準拠しており、飲料水向けだけでなく食品加工用途にも使用可能。幅広い用途に向けて、ウルトラゾーン® E2020P、E6020PおよびE7020Pなどのラインナップを揃えている。
ウルトラゾーン®は、ウルトラゾーン® S(ポリスルホン-PSU)、ウルトラゾーン® E(ポリエーテルスルホン-PESU)およびウルトラゾーン® P(ポリフェニルスルホン-PPSU)を含むBASFのポリアリールスルホンのブランド名。ウルトラゾーン®は、ガス分離やパーベーパレーション膜を含む、限外ろ過(UF)からナノろ過/逆浸透(NF/RO)まで、幅広い用途の膜の製造に適している。
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【UF膜】BASFの「Ultrason E」、英Pentair社が水処理に採用
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