積水化学工業(株)は、米国ファンド Liberty Hall Capital Partners(本社:米国サウスカロライナ州、Managing Partner:Rowan G.P. Taylor、以下「Liberty Hall」)等と、Liberty Hall等が保有するAIM Aerospace Corporation(本社:米 国ワシントン州シアトル、President & CEO:Daniele Cagnatel)およびその子会社6社(以下「AIM Aerospaceグループ」)の全株式を譲り受ける株式譲渡契約を6月14日に締結した。AIM Aerospaceグループは、航空機・ドローン向けの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等複合材成 型品の製造・販売等を行っている。積水化学工業は、AIM Aerospaceグループの株式取得により、モビリティ材料領域の業容拡大や、基礎技術の強化を図る。なお、本買収にかかる費用は510百万米ドル(=561 億円)、株式譲渡は2019年後半の見込み。
背景
(1)積水化学工業は、高機能プラスチックスカンパニーにおいて、「車輌・輸送」を戦略分野と位置付け、合わせガラス用中間膜や発泡樹脂材料等自動車向け製品の製造・販売を行っている。また、環境・ライフラインカンパニーにおいては、「機能材料」を戦略分野と位置付け、航空機向け成形用プラスチックシートの製造・ 販売を行っている。また、全社として、中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」において、両分野の技術等の経営資源の Fusion(融合)によるモビリティ材料領域における業容拡大を図ることとしている。加えて、2030年度に売上高2兆円、営業利益2,000億円という長期で目指す姿を定め、そこに向けた「新次元の成長」を目指している。
(2)航空機・自動車などのモビリティ業界航空機業界においては、機体の高い安全性能や環境性能を実現する部材へのニーズが引き続き強く、豊富な新造航空機受注残があり、航空機材料市場は安定して拡大すると見込んでいる。加えて、物流分野等でのドローンの普及も進みつつある。一方、自動車業界では、CASE(Connected:コネクテッドカー、Autonomous:自動運転、Shared:シェアリング、Electric:電動化)といったトレンドや、材料技術やIT技術の発達による自動車の飛行機化 (フライングカー)を見据えた動きがみられる。世界の自動車生産台数は、当面成長が見込まれており、前述のような自動車の多機能化や高機能化が進んでいることから、積水化学工業は、今後も自動車材料市場は安定して拡大すると見込んでいる。
(1)積水化学工業は、高機能プラスチックスカンパニーにおいて、「車輌・輸送」を戦略分野と位置付け、合わせガラス用中間膜や発泡樹脂材料等自動車向け製品の製造・販売を行っている。また、環境・ライフラインカンパニーにおいては、「機能材料」を戦略分野と位置付け、航空機向け成形用プラスチックシートの製造・ 販売を行っている。また、全社として、中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」において、両分野の技術等の経営資源の Fusion(融合)によるモビリティ材料領域における業容拡大を図ることとしている。加えて、2030年度に売上高2兆円、営業利益2,000億円という長期で目指す姿を定め、そこに向けた「新次元の成長」を目指している。
(2)航空機・自動車などのモビリティ業界航空機業界においては、機体の高い安全性能や環境性能を実現する部材へのニーズが引き続き強く、豊富な新造航空機受注残があり、航空機材料市場は安定して拡大すると見込んでいる。加えて、物流分野等でのドローンの普及も進みつつある。一方、自動車業界では、CASE(Connected:コネクテッドカー、Autonomous:自動運転、Shared:シェアリング、Electric:電動化)といったトレンドや、材料技術やIT技術の発達による自動車の飛行機化 (フライングカー)を見据えた動きがみられる。世界の自動車生産台数は、当面成長が見込まれており、前述のような自動車の多機能化や高機能化が進んでいることから、積水化学工業は、今後も自動車材料市場は安定して拡大すると見込んでいる。
AIM Aerospaceグループの買収の狙い
積水化学工業グループは、本買収を、長期で目指す「新次元の成長」への重要な布石と位置付け、AIM Aerospaceグループが有するCFRP等複合材関連技術と航空機業界でのプレゼンスを取り込むことで、モビリティ材料領域を中心とした業容拡大を図る。具体的には次のシナジーを期待している。
(1)マーケティング・販売面でのシナジー
新規参入が困難な航空機業界においてAIM Aerospaceグループが有する航空機メーカー等との強固な関係性を活用し、積水化学工業グループの耐火・難燃材料等、従来自動車やインフラ・建築向けに展開してきた製品群の航空機市場への用途拡大・拡販を図る。また逆に、積水化学工業グループが有する自動車やインフラ・建築市場におけるグローバルな販売網を活用して、AIM Aerospaceグループ製品の拡販を図るなど、両者の製品・販路を相互に生かしてマーケティング・販売面でのシナジー創出を図る。
(2)研究開発面でのシナジー
AIM Aerospaceグループが有する熱硬化性および熱可塑性CFRP等複合材関連技術と、積水化学工業グループの樹脂配合技術や成形加工技術、熱可塑性CFRP関連技術の融合により、自動車業界で進むCASEへの対応や、フライングカーやドローン等次世代モビリティの普及を見据えた、安全性能や環境性能向上に資する製品の研究開発促進を図る。
積水化学工業グループは、本買収を、長期で目指す「新次元の成長」への重要な布石と位置付け、AIM Aerospaceグループが有するCFRP等複合材関連技術と航空機業界でのプレゼンスを取り込むことで、モビリティ材料領域を中心とした業容拡大を図る。具体的には次のシナジーを期待している。
(1)マーケティング・販売面でのシナジー
新規参入が困難な航空機業界においてAIM Aerospaceグループが有する航空機メーカー等との強固な関係性を活用し、積水化学工業グループの耐火・難燃材料等、従来自動車やインフラ・建築向けに展開してきた製品群の航空機市場への用途拡大・拡販を図る。また逆に、積水化学工業グループが有する自動車やインフラ・建築市場におけるグローバルな販売網を活用して、AIM Aerospaceグループ製品の拡販を図るなど、両者の製品・販路を相互に生かしてマーケティング・販売面でのシナジー創出を図る。
(2)研究開発面でのシナジー
AIM Aerospaceグループが有する熱硬化性および熱可塑性CFRP等複合材関連技術と、積水化学工業グループの樹脂配合技術や成形加工技術、熱可塑性CFRP関連技術の融合により、自動車業界で進むCASEへの対応や、フライングカーやドローン等次世代モビリティの普及を見据えた、安全性能や環境性能向上に資する製品の研究開発促進を図る。