武蔵精密工業（株）では、Industry 4.0がもたらす新たな市場拡大のチャンスをつかむため、Poliakine Innovationと協働で、スマートファクトリーを実現するためのAI技術開発に取り組んできた。このたび両社は、技術開発のスピードアップや製造現場への実装、グローバル展開をより加速するため、イスラエルの技術パイオニアでPoliakine Innovationの設立者であるRan Poliakine氏が代表を務めるSixEye Interactive Ltd.と合弁会社Musahi AI（株）（Musashi AI Ltd.、以下Musashi AI）を設立することで合意した。Musashi AIは、人と機械との協働を実現し、製造プロセスの最適化により生まれる新たな価値を、顧客へ提供していく。
武蔵精密工業の大塚浩史社長（写真左）は次のようにコメントしている。
「製造業はいま、テクノロジーの進化による大きな変革期を迎えています。イノベーションによる破壊的な変化が現実味を帯びる中、Industry 4.0に取り組む企業が、スピードをもった変革を断続的に起こすことで、効率的な生産やコスト削減を実現し、従業員がよりいきいきと働く事が出来るようになると考えています。私たちは新しい世界をリードすべく、Musashi AIを設立します。Musashi AIの設立によって、イノベーションに向けて同じ想いを共有するリーダーたちと協働し、Industry 4.0に関する新たなエコシステムを構築してまいります」
また、Ran Poliakine氏（写真右）は次のようにコメントしている。
「Musashi AIはIndustry 4.0を再定義し、ゲームチェンジを引き起こそうとしています。Industry 4.0のあり方については様々な議論がありますが、スマートファクトリーの実現に向け、各要素技術においてはまだ超えるべきギャップがあります。イノベーションを先導する私たちにとって、従来の製造業を大きく変化するためにはパートナーシップが必須です。ムサシとPoliakine InnovationおよびSixEye Interactiveの共同開発は、Industry 4.0の実現に向けて、まさに必要不可欠な提携であり、これまでにないスピードで革新的なソリューションを生み出せると考えています」
なお、4月5日まで開催中の「第3回AI・人工知能EXPO」では、Industry 4.0に向け、機械と機械・機械と人がリアルタイムでコミュニケーションし、協働を可能にするスマートファクトリーの実現を目指し、AIを活用した画像検査装置や自動搬送車（SDV:Self Driving Vehicle）など、ものづくり現場発のソリューションを提案している。
＜武蔵精密工業の展示内容＞
・デファレンシャルギヤ 外観検査システム・・・打痕検出デモ
・溶接ギヤ 外観検査システム・・・スパッタ検出デモ
・工場用自動搬送車（SDV : Self Driving Vehicle）
・AI現場実装用GPU（NVIDIA Jetson）ボックス
・豊橋技術科学大学との共同開発テーマ ポスター展示
■Poliakine Innovationについて
連続起業家であるRan Poliakine氏は、Illumigyn、Wellsense、nanoX Technologies、無線充電システムを最初に開発したPowermat Technologiesといった、多くの成功企業を立ち上げている。Poliakine氏は「より良い社会のために技術を使う」ことに強い思いがあり、エルサレムのイノベーションセンターはAI、エンジニアリング、数学、物理の各領域に非常に高い技術を有している。
■SixEye Interactiveについて
SixEye Interactive Ltd.は、Carallon groupのメンバーで、高度な制御システムに特化した独自の製品開発拠点を有しており、業界をリードする製品の開発に取り組んでいる。エンターテイメント用照明制御コンソール、建築照明システム、およびビデオ処理技術の領域に精通したメンバーが在籍しており、高度な映像・照明制御ソリューションの分野における豊富な経験を有している。
■武蔵精密工業について
武蔵精密工業は四輪/二輪車用向けに、 デファレンシャル/トランスミッションギヤ/プラネタリィ/ボールジョイント/カムシャフト等の開発/製造/販売を行っている。二輪車向けトランスミッションは世界シェア約30％と業界トップクラスの占有率を誇る（武蔵精密工業調べ）。鍛造から組み立てまでの一貫生産体制をグローバルに展開。「人にはもっと人らしい仕事を」を理念に、AIを製造現場に実装し、ものづくりのイノベーションに取り組んでいる。