BASFと広州汽車工業集団有限公司(Guangzhou Automobile Group Co. Ltd.)の研究開発センター(GAC R&D Center)は11月17日、中国のドライバーの多様なニーズに応える未来的デザインを取り入れ、共同開発した、電気自動車コンセプトカー3台を発表した。 広州国際モーターショー2018で発表された、2人乗りの電気自動車コンセプトカー3台はGAC R&D Centerが設計、素材とデザインに関する用途開発の促進やアイデアを提供するBASFのデザインプラットフォーム「designfabrik®(デザインファブリーク)」が高度な試作のサポートを行った。BASFの革新的な素材とソリューションを用いることで、今回の新たなコンセプトカーは高齢者、女性など幅広いドライバーに訴える仕上がりとなっており、その多様なニーズに応えている。また、世界中の都市部で急速に広がりを見せるモビリティコンセプトの1つであるカーシェアリングの増大にも対応している。 GAC R&D CenterのバイスプレジデントであるZhang Fan氏は、「カーシェアリングや電動化は、世界最大の自動車市場である中国において非常に重要な成長分野です。また、女性ドライバーやシニアドライバー数の増加を受け、中国のドライバーのニーズや個々のスタイルの好みが多様化しています。BASFの革新的な素材が、柔軟なデザインや拡張機能に貢献し、私たちの様々なスタイルのコンセプトカーの実現を可能にしています」と述べている。
総合的な空気清浄ソリューションからシートファブリック、ボディパネルや電気自動車のバッテリーパックに使用される素材まで、BASFの革新的なソリューションがアイデアをソリューションへと転換する。また、BASFとGAC R&D Centerが共同開発した車体用の外装塗料が、各コンセプトカーのユニークな個性を際立たせている。
BASFグレーターチャイナ ビジネス市場開発担当シニアバイスプレジデントのDr. Zheng Daqingは、「中国では個人に合わせた車での経験や、乗用車に求める拡張機能に対する消費者の需要が高まっています。BASFが中国の自動車メーカーと協力してコンセプトカーを開発したのは今回が初めてです。GAC R&D Centerと協力して未来のモビリティを形作るうえで、持続可能かつ革新的な素材とソリューションを提供でき大変うれしく思います」と述べている。
第16回広州国際モーターショーで展示された3台のコンセプトカーで使用したBASFの素材およびソリューションの詳細は以下の通り。
(1)2US:シニアドライバー用に設計された2人乗りの電気自動車で、回転式のシートベースがユニークな設計特性となっている。これにより、高齢のドライバーや同乗者の乗車や降車が容易に行える。BASFのUltramid®(ウルトラミッド)Advanced Nで作られたプラスチック製のギアにより、車室内において水平方向に90度回転するよう設計された回転メカニズムの操作がスムーズに行える。
(2)2U:自動車に個性的なスタイルを求める女性向けに設計されたこのコンセプトカーは、BASFのUltramid®(ウルトラミッド)Visionで作られた半透明のトリム部品を使ったユニークなシートデザインなど、様々な可能性を秘めた車となっている。助手席のシートの毛皮のような表面は、BASFのAdsint® TPU 3Dプリントソリューションで実現した。
(3)2ALL:このコンセプトカーは、操作の容易さやメンテナンス費用の低減など、カーシェアリング特有のニーズに対応するデザイン要素を複数備えている。例えば、BASFのElastollan®(エラストラン)HPMで作られたフロントバンパーは、傷のつきにくい優れたエラストマーパッドデザインとなっている。BASFの熱可塑性ポリウレタン発泡粒子Infinergy®(インフィナジー)で作られたシートの背もたれや底面のクッションは、快適性と堅牢性を兼ね備えている。
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【自動車】BASF、未来のモビリティを見据えたコンセプトカーをGAC R&D Centerと共同開発
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