昭和電工(株)は、2015年11月から中国広東省珠海市にて建設を進めてきた、熱硬化性成形材料(BMC:Bulk Molding Compound)事業の中国第2拠点の工場建設において、2016年11月から試運転を開始する。今後は、ユーザーの評価を得た後に、2017年初頭から量産・販売を開始する予定。
BMCは、不飽和ポリエステル樹脂を主成分に、ガラス繊維などを混練した熱硬化性成形樹脂で、自動車向けランプリフレクターやエンジンカバー、プロジェクター向け精密成形品部材などの用途で使用されている。また、今後エアコン・洗濯機等の家電向け電源ハウジング・モーター封止材料や電気自動車、ハイブリッド車向けのモーター封止材としての用途拡大が見込まれている。BMCの成形時には耐熱性、耐水性、電気特性のほか、高い寸法精度が求められる、同社グループはBMCの製造販売のほか、ユーザーの要望に合わせたBMC成形品の設計、カスタマイズを行っている。
同社は台湾の合成樹脂材料メーカーである長興材料工業股份有限公司との合弁により、中国広東省珠海市に同社グループでは中国2番目の生産拠点、昭和電工新材料(珠海)有限公司を新設し、昨年から新工場建設を進めてきた。
同社グループのBMC事業は、日本、上海、タイの3カ所に生産拠点を有しているが、中国におけるBMCの販売は高い伸びを示しており、上海拠点ではフル操業の状況が続いている。今後、さらなる拡大が予想される中国市場において、上海と珠海の2カ所で生産を行うことで、同地域における供給体制を強化する。
同社グループでは、現在推進中の中期経営計画“Project 2020+”において、機能性化学品事業を成長加速事業の1つに位置付けている。アジア圏における高分子事業の展開を積極的に進め、事業拡大を推進していく計画だ。
【昭和電工新材料(珠海)有限公司】
【BMC合弁会社の概要】
社名 | 昭和電工新材料(珠海)有限公司 | |
所在地 | 中国広東省珠海市 | |
設立 | 2015年7月 | |
操業開始 | 2017年初頭 | |
事業内容 | 熱硬化性成形材料(BMC:Bulk Molding Compound)の製造 | |
資本金 | 7000万人民元(日本円:11億2000万円 16円で計算) | |
株主 | 昭和電工株式会社 | 70% |
長興材料工業股份有限公司 | 30% | |
従業員 | 約50人 |