(株)三菱ケミカルホールディングスは、米国シリコンバレーに設立したCVC子会社であるDiamond Edge Ventures, Inc.(以下「DEV」)を通じ、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)向けのディスプレイ部材を開発するスタートアップであるDigiLens Inc. (本社:米国カリフォルニア州、CEO:Chris Pickett)に出資した。
DigiLensは、ヘッドアップディスプレイなどに用いられるホログラム光学技術における世界的リーダーであり、自動車、航空機、工場、生活、エンターテイメントなど様々な分野で用いられる透明なARディスプレイに対し、独自のナノ材料やコア技術を提供している。ARは、スマートフォンに続く次世代デジタルプラットフォームとして期待されており、大きな市場成長が予測されている。
三菱ケミカルホールディングスは、2018年7月に米国シリコンバレーにDEVを設立し、三菱ケミカルホールディングスグループ事業に新たな成長をもたらすテクノロジーやビジネスモデルを持つスタートアップ企業との戦略的パートナーシップを進めてい るが、DigiLensへの出資はその第一号案件となる。
DEV社長のPatrick Suel氏は次のようにコメントしている。
「この分野における技術の世界的リーダーであるDigiLensとの戦略的パートナーシップを通じて、三菱ケミカルホールディングスの先端材料技術が新たな市場の創出に貢献することができるという意味で、DigiLensは最初の投資先としてベストの選択と確信しています。この投資を通じて、私たちは、BtoB、BtoC にかかわらず、産業全般に広範な影響をもたらすと予想される AR/VR 技術のエコシステムに積極的に参画すると同時に、三菱ケミカルホールディングスの現在の事業に利益をもたらす新たな技術プラットフォームの導入を加速させていきます」
DigiLensのChris Pickett CEOは次のようにコメントしている。
「高機能ポリマー素材の世界的リーダーである三菱ケミカルホールディングスグループとのこのパートナーシップは、消費者に魅力ある価格でディスプレイを量産するという点で、DigiLens、そのライセンシーおよび顧客を支えるエコシステムの強化につながります。またコストに加えて、新たなプラスチック材料を用いることによって、より軽量で壊れにくい導光板ディスプレイを実現することが可能となりますが、それは薄型のスマートグラスやスマートヘルメット用のディスプレイには特に重要です」
「ポケモン GO」や「イングレス」、また今後リリースされる「ハリー・ポッター:魔法の同盟」などのタイトルを提供する ARゲーム業界におけるリーダーであるNiantic, Inc.(本社:米国カリフォルニア 州、CEO:John Hanke)も、同じ投資ラウンドでDigiLensへの出資を決定した。
NianticのJohn Hanke CEOは次のようにコメントしている。
「Nianticは何年もの間、現実世界をゲームボードに変えようとしてきました。DigiLensはMCHCとのコラボレーションにより、世界のプレーヤーにとってよりリーズナブルで手に入りやすいハードウェアをもたらす、という素晴らしい道筋の途上にあります。それが実現すれば、軽量かつ安全で魅力的なプラスチックARディスプレイによって、キャラクターとゲームプレイが現実世界にシームレスに溶け込んでいくでしょう」
三菱ケミカルホールディングスは、今後もDEVを通じて、三菱ケミカルホールディングスグループの事業に新たな成長機会をもたらすスタートアップ企業とのパートナーシップを進めていく。
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【AR・VR向けディスプレイ部材】三菱ケミカルホールディングス、米DigiLens社に出資
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