Quantcast
Channel: コンバーティングニュース
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7252

【カラーマネジメント】凸版印刷、印刷物の仕上がりの色調をディスプレイ上で確認できるCMSクラウドサービを開発

$
0
0

 凸版印刷(株)は、培ったカラーマネジメント技術を活用し、印刷をする用紙の種類、印刷方式、インキの色を指定するだけで、最終印刷物の仕上がりの色調をディスプレイ上で確認することができるカラーマネジメント(CMS)クラウドサービス(以下、CMS クラウド)を開発。2018年11月より運用を開始した。

 カラーマネジメントとは、ディスプレイやプリンタ、印刷物など異なるデバイス間で色の調整を行い、表示色の統一を図るための技術。印刷に使われる様々な機器と実際に本生産で使用される印刷機の色のズレをなくすために、カラーマネジメントに基づくデジタル処理や画像変換などの調整を施し、色校正に活用してきた。

 CMSクラウドは、プロセスカラー(※1)だけでなく、特色(※2)にも使用できる高精度なカラーマネジメントエンジンを、クラウドサービスとして提供するもの。これまで生産現場で培ってきた技術やノウハウを活用し、オフセット印刷、グラビア印刷など幅広い印刷方式の色再現を行うことができ、チラシ・カタログはもちろん、雑誌や書籍、包装材などの印刷に対応している。さらにクラウドサービスとして、国内外の複数拠点で利用可能な色校正システムとしても運用できる。

 具体的には、印刷方式や使用する用紙などの条件を入力することで、システム内部でカラーマネジメントエンジンがプロファイルを作成。レイアウト済の紙面PDFデータをアップロードすることで、ディスプレイ上で実際の最終印刷物と同じ色調が表現される。

2018 11 06 toppan

■背景

 近年、生活者のニーズが複雑化するにつれ、求められる商品も多様化している。これにより、企業や製品のブランディングが重要となっており、企業ロゴ色や製品のイメージ色を印刷物で正確に再現することが重視されるようになっている。

 ディスプレイやプリンタ、印刷機では使われる基本色や色域(※3)が異なるため、カラーマネジメントシステム(CMS)を用いて表示色を統一する必要がある。そのなかで、さまざまな条件の印刷仕上がり色を予測する技術を磨き、ノウハウとして蓄積してきた。

 同社はこのたび、色彩工学に基づき、使用する特色の色見本と印刷条件を指定するだけで印刷再現されるすべての組み合わせ色を予測できる高精度なカラーマネジメント技術を確立。これにより、実際に印刷することなく、ディスプレイやプリンタで最終印刷物の色確認を可能にした。

 さらにこの技術をオンライン上で利用できるクラウドシステムとして開発し、自社内だけなく、ブランドカラーの印刷色管理などを社外でも利用できる形で提供する。

■特長

・遠隔地の複数人がオンラインで色校正可能

これまで自社の生産現場で培ったカラーマネジメントエンジンをクラウド対応に開発。専用ソフトウェアの導入が不要で、簡単・手軽に遠隔地・複数人で最終印刷物の色確認が可能。

・使用する用紙やインキ、刷る順序、印刷機の特性の情報により、高精度な色予測が可能

用紙やインキの特性だけでなく、印刷機やデジタル出力機の種類毎の特性情報を用いることによって、色味や発色など精度の高い色予測が可能になる。

・用紙の種類や印刷方式など、幅広い条件に対応

用紙では主な素材全てに対応、印刷方式ではオフセット印刷、UVオフセット印刷、グラビア印刷に対応し、出版印刷、商業印刷、パッケージ印刷など異なる分野でも使用できる。また、印刷物を観察する照明の色合い(色温度)に合わせた表示も可能。条件を入力するだけで色再現が可能なため、設計時のシミュレーターとしても活用できる。

今後の目標

 凸版印刷は、CMSクラウドサービスによるオンライン校正システムや、設計段階での色再現シミュレーター用途での展開をはかり、2020年に約70億円の受注を目指す。

※1 プロセスカラー

カラー印刷に使う基本の色で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色。

※2 特色

インキ会社や印刷会社が独自の配合で作った色。企業や製品のブランドカラーなどとして指定されている色など、特定の色を美しく確実に出したい場合やプロセスカラーの掛け合わせでは作れない色表現のために、プロセスカラーに加えて用いる色。

※3 色域

使われるインキや紙、印刷機により表現可能な色の範囲。

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7252

Trending Articles