三井化学(株)は、紙おむつ市場の需要拡大に対応するため、名古屋工場およびサンレックス工業(株)で高機能不織布の設備増設を進めてきたが、2018年10月より営業運転を開始した。
【設備増設の概要】
増設場所 |
三井化学 名古屋工場 |
サンレックス工業 (三井化学100%出資、三重県四日市市) |
対象製品 |
柔軟性に優れた 高機能不織布 |
柔軟性と伸縮機能に優れた高機能不織布 |
増設能力 |
15,000トン/年 |
6,000トン/年 |
着工時期 |
2016年4月 |
2016年7月 |
名古屋工場新設備建屋 サンレックス工業新設備建屋
同社は長期経営計画において、ヘルスケア事業をモビリティ、フード&パッケージングとともにターゲット事業領域の一つとして位置づけている。その中で、ヘルスケア事業のひとつである不織布事業については、紙おむつメーカーのアジア展開に対応して、日本およびアジアへ高機能不織布を供給し、更なる事業拡大を図ることを目指している。
アジアの紙おむつ市場では、紙おむつ普及率の向上、および中国の一人っ子政策の緩和等により、堅調に需要が拡大している。また昨今、特に高品質なプレミアム紙おむつ市場が急拡大しており、紙おむつメーカーは増産体制を強化している。
名古屋工場で増設した高機能不織布は、柔軟性の高い不織布である。一方、サンレックス工業で増設した高機能不織布は、柔軟性と伸縮機能に優れた不織布で、いずれも従来のスパンボンド製造技術に同社独自の技術を加えた改良プロセスを採用したもの。また、増設後の同社不織布の生産能力は、海外を合わせ103,000トン/年。同社は、今回の増設により同社の高機能不織布の供給体制を一層拡充させ、プレミアム紙おむつの更なる高品質化と幅広い用途展開を進めていく。