(株)TBMと福井県鯖江市(市長:牧野百男、 以下鯖江市)、 慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(研究科委員長:稲蔭正彦、 以下KMD)は2030年までに達成すべき持続可能な開発目標(以下SDGs)の12.「つくる責任つかう責任」に貢献するため、8月20日に相互連携協定を締結した。 現在、SDGsの達成に向けて企業及び自治体の配慮や対応が求められている。TBMが開発する石灰石を主原料としたLIMEXは、水や木をほぼ使わずに紙代替製品を、石油の使用量を減らしてプラスチック代替製品をつくることができる。さらに、LIMEXはLIMEXシート(LIMEXをシート状に成膜したもの)からLIMEXペレット(LIMEXをペレット状に製造して加工したもの)を高効率につくることが可能なため、 環境に配慮されたアップサイクルが可能。アップサイクルとはサスティナブル(持続可能)な「モノづくり」の新たな方法論の1つ。従来行われてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを最終的な目的としている。
2017年12月、TBMはLIMEXを活用して鯖江市の漆器産業の可能性を高め、持続可能な地域活性化の実現に貢献することを目的に、KMDの研究員や自治体、産地組合、企業が活動している「工芸みらいプロジェクト」、越前漆器協同組合の青年部との連携により、「ベース素材にLIMEXを採用した漆仕上げのiPhoneケース」を共同開発した。同LIMEX製品の開発にあたり、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて、クラウドファンディングを行い、目標を達成した。
こうした取り組みをより発展させ、鯖江市における環境負荷の低い地域モデルの構築、持続可能なものづくりを推進することを目的に、TBM、鯖江市、KMDは、相互連携協定に基づき次の活動に取り組む。なお、アップサイクルに向けた使用済みLIMEX製品の回収は、日本郵便(株)(鯖江市内の郵便局)と連携する。
1.紙やプラスチックの代替となる新素材LIMEX(ライメックス)を活用したアップサイクルの研究
(1)LIMEXを鯖江市内で使用される印刷物に用いたアップサイクルの実施
(2)地域企業と連携したLIMEX製印刷物の回収スキームの構築
(3)アップサイクルによって製造されたプラスチック代替成形品(LIMEX製の漆の食器等)の商品化及びブランディング
(4)地域企業及び地域産業と連携した、 アップサイクルにより製造した商品の販売スキームの構築
また、 アップサイクルの研究実施のため、 それぞれ以下の役割を担う。
TBM…アップサイクル、 環境問題及び資源枯渇に関するソリューションの提供
鯖江市…人的ネットワークの提供
KMD…人的ネットワークの提供及び地域産業ブランディングの支援
2.まちづくりのための連携
3.地域産業振興のための連携
4.その他、 前条の目的を達成するために必要な事項
今後、鯖江市内で開催される一部のイベントや大会などの運営主体者と連携して、鯖江市内におけるLIMEXの紙代替製品(印刷物)の利用シーンの拡大を模索し、アップサイクルを実施していく。またアップサイクルによる漆仕上げの食器など、LIMEX製品のバリエーションを増やしながら、鯖江市の持続可能なものづくりに貢献し、環境負荷の低い地域モデルの構築を確立していく。
<アップサイクルのスキーム>
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【SDGs】TBM、福井県鯖江市、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科が相互連携協定締結。鯖江市においてLIMEXのアップサイクルを通じた地域モデルの構築を目指す
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