<上海、2018年5月21日>ハネウェル(NYSE:HON)は本日、エアダスター世界大手の英HK Wentworth社が欧州域内で販売する環境配慮型エアダスター(ほこり飛ばし)製品について、製造元である中国 浙江商林科技股份有限公司に、「ソルスティス噴射剤(HFO-1234ze(E))」の供給を開始したことを発表した。欧州では、代替フロン規制である EU F-ガス規制によって、2018年1月1日以降、地球温暖化係数(GWP)150を超えるほとんどのエアゾール製品が禁止された。中国メーカーによる量産体制を整えることにより、HK Wentworth社はグローバルサプライチェーンを強化し、欧州で拡大する需要に応える。
ソルスティス噴射剤(HFO-1234ze(E))は、ハネウェルが開発した次世代のハイドロフルオロオレフィン(HFO)技術をベースとした、不燃性**(日本国内では特定不活性ガス)かつ、GWP が CO2よりも低い1未満と非常に低いエアゾール用噴射剤。ソルスティス噴射剤はまた、オゾン層を破壊せず、揮発性有機化合物(VOC)の対象外***である。
英 HK Wentworth社は、世界的なエアダスター大手で、グループ傘下のElectrolube社およびAF International社からエアダスター製品を販売している。HK Wentworth Group、マネージングディレクターのロン・ジェイクマン氏は、「HFOベースのエアダスターは、優れた環境配慮性に加え、性能の点でも非常に満足できるものであることから、低GWP製品への移行は欧州のみならず他の地域でもスムーズに進んでいます。このたびは中国の生産パートナーである浙江商林科技と連携して供給網を強化することで、お客様により高い満足をお届けできることを嬉しく思います」とコメントしている。
気体を噴射する圧力で細部のチリやホコリを取り除くエアダスター(またはダストブロワー)は、さまざまな用途で用いられている。特に電子部品やシュレッダーなどの電子機器に対して使用する場合には気体が不燃性であることが不可欠。従来は不燃性が求められる用途にはハイドロフルオロカーボン(HFC、代替フロン)であるHFC-134aが用いられていたが、GWPが 1,300*と高いことから規制の対象となっている。
ハネウェル、フッ素化学品(アジアパシフィック)ゼネラルマネージャーのエリック・ヤン氏は、「噴射剤としての性能と、世界の主要な環境法規制に適合する環境配慮性を併せ持つソルスティス噴射剤は、次世代基準として認められた製品です。当社は、この革新的な製品で世界中のエアゾール産業に貢献してまいります」とコメントしている。
ハネウェルは、同社が開発したHFO(ハイドロフルオロオレフィン)技術をベースとした、従来の機器性能を損なうことなくカーボンフットプリントの削減を可能にする「ソルスティス」ブランド製品群として、業務用冷凍冷蔵用、空調用、およびカーエアコン用冷媒、フォーム用液状およびガス発泡剤、溶剤およびエアゾール用噴射剤を開発、製造、供給している。
* GWP値について
本文のGWP値は、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告書(AR5)の数値。IPCC AR4(第4次報告書)に基づくHFC-134a およびHFC-125a のGWP値は、それぞれ1,430および124。
** 不燃性
国際的な試験方法であるASTM E681 および ISO 10156:2010による
*** VOC対象外
米国環境保護庁(USEPA)および、米カリフォルニア州大気資源局(CARB)の評価による
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【エアダスター】ハネウェル、中国初の欧州市場向け環境配慮型生産工場に「ソルスティス噴射剤」供給
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