帝人 (株)は、SKケミカル社(本社:韓国・ソンナム市)との合併会社であるイニッツ社が生産するポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂と帝人グループの高機能素材を高度なコンパウンド技術によって組み合わせることで高機能な特殊コンパウンドを生産し、「SOLFIGA®」(ソルフィガ)ブランドとして本格展開する。
スーパーエンジニアリングプラスチックの1つであるPPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度などに優れ、自動車やエレクトロニクス部品などに広く使用され、需要が急速に拡大しているが、従来のPPS樹脂には塩素やナトリウムが多く残存し、金型の腐食や金属部品の接触不良などの原因となる恐れがあった。
一方、帝人は自動車やエレクトロニクス分野に向けて主にポリカーボネート(PC)樹脂とそのコンパウンド製品などを幅広く展開しており、顧客の様々なニーズに対応するため、樹脂のラインナップ拡大、およびコンパウンドや樹脂製品部材提供によるソリューション提供力の向上に取り組んでいる。
こうした中、当社は2013年9月、革新的なプロセスにより塩素やナトリウムを含まないPPS樹脂の生産技術を持つSKケミカル社との合弁により、PPS樹脂およびそのコンパウンドの製造・販売を手掛けるイニッツ社を設立し、同年10月に年産1.2万トンの生産能力を有する量産工場建設に着手した。
このたび帝人は、部品の軽量化や意匠性の向上など様々な顧客ニーズに応え、幅広いソリューションを提案するため、イニッツ社が生産するPPS樹脂と、帝人グループの高機能素材を高度なコンパウンド技術によって組み合わせることにより、高機能な特殊コンパウンドを開発し本格的に展開することとした。
「SOLFIGA®」について
イニッツ社が生産するスーパーエンプラであるPPS樹脂と、帝人グループが保有する炭素繊維、アラミド繊維や特殊PC樹脂などの高機能素材とを組み合わせることにより、帝人ならではの様々な機能を付与し、高度な顧客ニーズに対応できる特殊PPS 樹脂コンパウンドを生産し、「SOLFIGA®」ブランドとしてグローバルに展開する。
今後の展開
「SOLFIGA®」は、2月14日〜16日に東京ビッグサイトで開催される「新機能性材料展 2018」において展示される。(ブース番号:3F-24)
既に「SOLFIGA®」のサンプルワークは開始しており、採用事例も出ていることから、帝人の三原事業所で行っている生産を拡大し、将来的には中国・上海市 にある帝人化成複合塑料(上海)有限公司やテイジン・コーポレーション(タイランド)社においても生産する計画で体制構築を進める。
自動車やエレクトロニクス分野を中心に「SOLFIGA®」ブランドの浸透を図り、2025年には「SOLFIGA®」ブランドでの売上高 30 億円を目指す。(イニッツ社のブランドである 「 ECOTRAN®」での販売を含まない)