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【PEI、PPE】SABIC、「ULTEM」樹脂と「NORYL」樹脂の生産能力増強

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SnapCrab NoName 2018 2 9 7 17 21 No 00 R SABIC(サウジ基礎産業公社)は、高機能性樹脂として知られる「ULTEM(tm)」樹脂(ウルテム、PEI:ポリエーテルイミド)と「NORYL(tm)」樹脂(ノリル、PPE:ポリフェニレンエーテル)の世界的な供給能力の増強に関するアジアとオランダでの投資プロジェクトを発表した。SABICはウルテム樹脂の生産能力を拡大するため、シンガポールにある既存のコンパウンド工場の拡張を含めた新たな工場の建設を計画し、2021年上期までの稼働を目標に政府との最終調整を進めている。また、ノリル樹脂と同オリゴマーの生産拡大を図るため、2019年末までにオランダのベルヘン・オプ・ゾームに保有する既存工場での生産を再開する。
 SABICでスペシャルティ事業の上級副社長を務めるアーネスト・オキエロ氏は、「今回の投資は、アジア地域を中心とした顧客の需要増加に応えるものです。これら2つの高機能性樹脂の暫定的な生産能力増強を行いましたが、グローバルの需要は非常に大きく、SABICは顧客の成長をサポートするためさらなる生産能力拡大に投資しています。当社は今後も、適切な生産能力を、適切な地域で、そして、適切なタイミングで顧客のニーズに応えられるよう供給能力の増強に投資してまいります」と語っている。
 ウルテム樹脂は現行、米国インディアナ州のマウントバーノンとスペインのカルタヘナの2カ所で生産されている。今後、シンガポールの新工場が稼働することで アジア地域の顧客、特に評価サイクルの短い用途にリードタイムを短縮できる。シンガポール工場の本格稼働後、ウルテム樹脂の総生産能力は2018年と比べて50%の拡大となる。オキエロ氏は、「シンガポールの新工場が加わることで、SABICはアジア、アメリカ、ヨーロッパの三極で高耐熱性樹脂を生産する唯一の化学会社となり、顧客に対して大きなアドバンテージを提供できることになります」と述べている。
 オランダ工場でのノリル樹脂の生産再開はグローバルでの供給のセカンドソースとなり、SABICが欧州市場や欧州から材料ソリューションを求めるグローバルカスタマーに対しより強くコミットすることが可能となる。オランダ工場の稼働によりノリル樹脂の総生産能力は2017年比40%以上の増強となる。
 またSABICは既存のセルカークとマウントバーノン工場の製造プロセスの見直しを行い、2018年末までにノリル樹脂およびウルテム樹脂の生産能力の増強を計画している。この取り組みは需要増加への対応とリードタイムの短縮に寄与する。
■SABICについて
 SABIC(サウジ基礎産業公社)はサウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルリーダー。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っている。
 SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要マーケットの顧客をサポートしている。2016年にSABICは、178億サウジ・リヤル(48億米ドル)の純利益を計上している。2016年の総売上高は計1,328億サウジ・リヤル(354億米ドル)、2016年末の総資産は3,169億サウジ・リヤル(845億米ドル)。2016年の生産量は7270万トン。
 SABICは世界50カ国以上で事業を展開し、3万5,000人を上回る従業員を全世界で雇用している。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで12,191件の特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有している。
 SABIC株の70%はサウジアラビア政府が所有し、残りの30%はサウジアラビア証券取引所に上場されている。


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