BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、フィリピンのラグナ州、ベイにあるBASFの農業研究所にライスナレッジセンターを開設した。この新たな施設は、BASFの稲作における世界的な専門知識を一元化し、より持続可能な形で生産性を高めたいと考える稲作農家の方々に、高度な農学的、技術的サポートを提供する支援を行う。
BASF農薬事業本部、アジア太平洋地域のシニアバイスプレジデントであるグスタボ・パレロシ・カルネイロ氏は次のように述べている。
「世界人口の半数以上の人々が、コメを主食としています。稲作農家の方々は、環境への影響を最小限に抑えつつ、コメへの高まる需要を満たすうえで、大きな課題に直面しています。新たに開設したBASFのライスナレッジセンターによって、私たちは生産者の方々と最新の技術や成功事例を共有できるようになり、稲作におけるイノベーションをさらに推進することが可能になります」
世界各地にいるBASFの農薬分野の専門家や技術担当者は、生産者の方々に研修やアドバイス、支援を提供する際に、ライスナレッジセンターを利用できるようになる。また、新センターでの実演圃場や実地試験は、アジア太平洋地域に点在するBASFの研究拠点の業務を補完することになる。
BASFのアジア太平洋地域の研究開発部門を率いるエドソン・ベグリオミーニ氏は次のように述べている。
「新しいセンターの開設により、水田の水生環境に優しく、非常に効果的な殺菌剤Seltima™や、多くの一般的な稲作害虫に効果のある革新的な殺虫剤Xemco®など、アジア太平洋地域のコメ生産者の方々に向けて新たに市場に投入したソリューションをサポートします。この中心となるプラットフォームを介して、私たちは業界、現地政府、学界との関係や連携を深められるでしょう。アジア太平洋地域のコメ生産者の方々が現在直面している共通の課題に、力を合わせて対処していきます」
世界のコメの90%はアジアで生産され、消費されている。近い将来、BASFはアジア太平洋地域の主要なコメの生産国に稲の直播栽培用の生産システム、Clearfield™と Provisia™を投入する。これらのソリューションでは、従来の形で交配させた除草剤耐性のハイブリッド種子に、目的に合うよう設計された除草剤を組み合わせている。稲の直播栽培は従来の移植栽培と比べると必要とする水量が少なく、温室効果ガスの排出量も低減できる。Clearfield™はすでに、マレーシアを含む世界10カ国以上の稲作農家の方々が利用している。
こうした技術の導入を加速させるため、BASFはIRRI(国際稲研究所)と複数の協力合意を締結し、より多くのアジアの稲作農家の方々に除草剤耐性のイネの種子を提供していく。また、BASFはIRRI主導で立ち上げた複数の関係者によるコンソーシアムの創設メンバーの一員になる。このコンソーシアムでは稲作の機械化と精密直播栽培に関する研究を行う。BASFのライスナレッジセンターが今後のパートナーシップの調整を行っていく。
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【農業】BASF、Rice Knowledge Centerを新設。アジアの生産者の収量増加、排出量低減を支援
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