<ジョージア州アルファレッタ、2017年12月6日>特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、Apollo Medical Extrusion社が、ソルベイの医療用グレードのベラデル(r) HC A-301 NTポリエーテルサルホン(PESU)の押出成形により製造された、シングルルーメンおよびマルチルーメンの医療用マイクロチューブの提供を開始したことを発表した。
Apollo社は、カテーテル、内視鏡検査器具、腹腔鏡器具などに用いられる幅広いマイクロチューブを製造している。ベラデル(r) HC A-301 PESUが材料の選択肢に加わることで、剛性、透明性、滅菌が同時に要求されるマイクロチューブ用途で、押出機での設計の自由度が大幅に広がる。
「当社では通常、樹脂製品群を解決の手段として提供していますが、ベラデル(r) PESUについては、いわばアイデアを生み出すものとして捉えています」と、Apollo Medical Extrusion社のSenior Process Engineerを務めるJonathan Jurgaitis氏は述べている。「ポリカーボネートよりも強度に優れ、PEIよりも透明性が高く、ステンレス鋼では不可能なマルチルーメンのマイクロチューブ形状も可能にします」。
Apollo社のある顧客が、ステンレス鋼チューブを切断してから再度溶接して部品を製造していたところ、Apollo社では、これをベラデル(r) HC A-301 PESUの押出成形によってワンステップで製造できたとJurgaitis氏は付け加える。それによって顧客は製造時間とコストを大幅に削減できた。
「PESUは構造部材に使用されるステンレス鋼に代わるものではありませんが、ステンレス鋼では過剰な設計になるような用途では、設計に柔軟性を与える選択肢として活用できます」と、ソルベイのSpecialty Polymers global business unitでbusiness manager for Healthcareを務めるJeff Hrivnak氏は述べてる。「ベラデル(r) PESUは流動性が高いため、複雑な形状の薄肉マイクロチューブの押出加工に最適であり、ソルベイのサルホン系樹脂の中でも最高の剛性を持つ材料です。画期的な医療機器を設計する上で、ベラデル(r) HC A-301 PESUの可能性が俄然注目されているのはそのためです」。
ソルベイの医療用グレードPESU樹脂は、細胞毒性、刺激性、急性全身毒性について、ISO 10993生体適合性規格の下で試験が行われており、また蒸気滅菌や化学滅菌にも対応する。ソルベイは、新しい材料向けに詳細なFDAマスターアクセスファイル(MAF)を提供するとともに、顧客の製品化までの時間を短縮するために、規制に対するサポートも行っている。
ソルベイは信頼性の高いヘルスケア分野の材料サプライヤーとして、25年以上にわたる経験を積んでいる。世界を代表するヘルスケア用途のポリマーのメーカーとして、医療機器、手術用器具、その他医療用装置に用いられる幅広い高機能樹脂を提供している。また、さまざまなインプラント向け医療機器用途に用いられるSolviva(r) 生体材料群も提供している。ソルベイのPESU樹脂製品群のベラデル(r) は、食品サービス、ろ過膜、自動車といった用途で長きにわたって実績を築いている。