ハネウェル(NYSE:HON)は、同社の次世代現場発泡断熱材向け発泡剤である「ソルスティス™ LBA(液状発泡剤)」を用いる現場発泡吹付硬質ウレタンフォームについて、300件を超える国内ビルプロジェクトにて採用されたことを確認した。このたびの集計では、高い環境配慮性や省エネ性能を重視する共同住宅や事業用建築物で積極的な採用が進んでいることが示された。
2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、建築物について、2020年までに新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)*1の実現を目指す政策目標が示された。国内で消費される最終エネルギーのうち、建築物にかかる(家庭/業務他部門)消費は全体の1/3を占めていることから、建築物の持続可能性および省エネ性能の向上は、エネルギー政策の上で喫緊の課題となっている。
環境政策の点からは、国内の温室効果ガス(GHG)排出量削減目標である『2030年度までに2013年比で26%減』を達成するためには、建築物分野で40%のGHG削減が必要であることが示されている。加えて、HFC(ハイドロフルオロカーボン、いわゆる『代替フロン』)削減については、フロン排出抑制法(略称)を始めとする法規制やガイドラインを介して、冷凍空調用冷媒や断熱材用の発泡剤など建築物関連の低GWP(地球温暖化係数)化に向け積極的な取り組みが進んでいる。
次世代のノンフロン技術であるHFO(ハイドロフルオロオレフィン)をベースとするソルスティスLBAは、GWPがわずか1のノンフロンでありながら、従来のHFC発泡剤と同等もしくはさらに優れた断熱性能を可能にする現場発泡吹付硬質ウレタンフォーム用発泡剤。
ハネウェル、アドバンスト・マテリアル事業部、日本担当部門長の瀧瀬勝之氏は、「建築物への持続可能技術の採用は、法規制の遵守に加え、建築物性能評価システムの普及が進む中、ZEB化を推進することで建築物の価値を高めていく点でもビルオーナーやデベロッパーの大きなニーズとなっています。ソルスティスLBA発泡剤を用いる吹付断熱材は、将来を見据えた建築物の省エネ性や環境配慮性に寄与する建材として、小規模から大規模、そして公共建築から民間まで、あらゆる建築物の発注者様にご支持いただいております」とコメントしている。
ハネウェルでは、2015年からソルスティスLBAを用いる断熱材採用数の集計調査を実施している。この度採用を確認した300件を超えるビルプロジェクトは、公共・民間合わせ200を超える発注者によるもので、これらの施工元請には150社を超えるゼネコン各社が携わった。この度の集計結果では、新たに大規模商業/住宅複合施設での採用が確認された。また、採用が増えている用途には、オフィス、倉庫などの事業用、病院や高齢者向け施設があり、HFC(代替フロン)に代わり、建築物資産の持続可能性に寄与する発泡剤として、ソルスティスLBAが選ばれていることが示された。
ソルスティスLBAは、ハネウェルが開発した独立発泡タイプの現場発泡吹付硬質ウレタンフォーム用発泡剤で、オゾン層を一切破壊せず、非VOC(揮発性有機化合物、米環境保護庁による)で、不燃の発泡剤。GWPは従来のHFC発泡剤に比べ99.9%低く、CO2と同等のわずか1であることから国内ではノンフロンに分類されており、フロン類にかかる法規制の対象外。
ソルスティスLBAを用いる現場発泡吹付硬質ウレタンフォーム(JIS A 9526: 2015 A種1Hおよび2H)は、ほとんどの国内および国外のシステムハウス(ウレタン原液メーカー)から製品化および販売されている。加えて、冷凍冷蔵倉庫や家電向けとして、ソルスティスLBAを用いる金属サンドイッチ断熱パネルが国内メーカー各社から販売されている。
ハネウェルは、同社が開発したHFO(ハイドロフルオロオレフィン)技術をベースとした、従来の機器性能を損なうことなくカーボンフットプリントの削減を可能にする「ソルスティス」ブランド製品群として、業務用冷凍冷蔵用、空調用、およびカーエアコン用冷媒、フォーム用液状およびガス発泡剤、 溶剤および エアゾール用噴射剤を開発、製造、供給している。
*1 ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の定義
ZEBとは、快適な室内環境を保ちながら、高断熱化・日射遮蔽、自然エネルギー利用、高効率設備により、できる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、年間で消費する建築物のエネルギー量が大幅に削減されている建築物。(引用:経済産業省 資源エネルギー庁資料)
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【現場発泡吹付硬質ウレタンフォーム】ハネウェルの低GWPソルスティスLBA発泡剤、日本国内の採用が3倍に拡大
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