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【ディープラーニング】日本ディープラーニング協会設立、日本の産業競争力の向上を目指す

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  2017年10月4日、ディープラーニング※1を事業の核とする企業およびディープラーニングに関わる研究者が中心となり、「日本ディープラーニング協会」(英称:Japan Deep Learning Association、以下JDLA)が設立された。
 第三次AIブームの火付け役となったディープラーニングは、急激な進化を遂げ、現在では「電気」「トランジスタ」「インターネット」のように、それまでの技術を根底から覆す要素技術と言われている。事実、未来の技術と思われていた自動車の完全自律走行(ドライバーがハンドルやブレーキの操作を全く行わない走行技術)は、概ね2025年頃に実用化が見込まれ※2、また、世界のディープラーニング市場は2024年までに400億ドル(約4.4兆円)を越えると予測されている※3。
 米国や中国などのインターネット関連企業は、著名な研究者を迎え、ディープラーニングに対する多大な投資を行って成果を上げている。製造業を中心とした日本にとってもまた、大きなチャンスがあるにも関わらず、技術に対する理解や事業者不足、人材不足等の理由により、他国と比べ導入が遅れていることに、JDLAの会員各社は大きな危機感を抱いてきた。
  そこでJDLAは、日本の産業がディープラーニングをより有効に活用し、産業競争力を高めることを目指し、産業促進、資格試験事業をはじめとする人材育成、公的機関や産業への提言活動、 国際連携活動、社会との対話などの活動を行っていく。
※1 ディープラーニングとは、コンピュータが経験したことを学習し、概念の階層を通じて世界を理解する機械学習の方式(出典:Ian Goodfellow氏、Yoshua Bengio氏、Aaron Courville氏)
※2 人工知能技術戦略会議(2017年3月31日)
※3 Tractica 社発表「Deep Learning for Enterprise Application」(2016年5月3日)
<活動内容>
1.産業活用促進
 カンファレンスやワークショップ等のイベント開催(主催・共催・協賛等)を通して、産業応用事例や導入課題と対策等、産業が必要とする情報を提供する。また、分野ごとのワーキンググループを設置し、分野特有の課題(技術課題や法的課題等)を整理し、解決を目指す。
2.公的機関や産業への提言
 業界の健全な発展と倫理的側面を考慮し、公的機関および産業界に対し、提言を行う。
3.人材育成
 ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材(ジェネラリスト)と、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材(エキスパート)の育成を目指す。各々に必要な知識やスキルセットを定義し、資格試験※を行うとともに、協会が認定した事業者がトレーニングを提供する。
※資格試験は有償で提供。また、トレーニングの内容・費用は教育事業者により異なる。
4.国際連携
 ディープラーニングの社会実装における倫理的、法的、社会的課題に関して、国内外の関係機関と連携し、議論に参加することで、海外の取り組みや考え方を国内に発信し、また国内の活動を海外に発信する。
5.社会との対話
 「人工知能」と総称され、現段階でできることとできないことが曖昧になることで、過剰な期待や過大な心配が社会に生まれつつある。情報発信や社会との対話を通し、ディープラーニングに対する懸念や期待を相互に学びあう場を形成する。
<人材育成・資格事業>
 世界の先端企業では、ディープラーニング人材の獲得に多大な金額が投資されており、産業競争力の強化に人材育成は欠かせない要素となっている。また、先端のテクノロジー企業のみならず、「10年後、AIが半数の仕事を奪う」※というセンセーショナルな研究が発表されるなど、技術革新により、人に求められる能力は全般的に大きく変わろうとしている。
 一方、高等教育機関や民間事業者による人材育成は、ディープラーニングの急速な進化やそれにともなう産業界からの需要に追いついていないのが実情。
 同協会では、ディープラーニングを使いこなすために必要なスキルと、学ぶべき内容を定義することで、ディープラーニングを学びたい学生や社会人の指標となることを目指す。また、「資格試験」によってその技能を認定し、「教育認定機関制度」を通して、人材育成に貢献していく。
※ 2014年 英オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン准教授

<『日本ディープラーニング協会』概要>
設立日:2017年6月1日
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4−1−20 田中山ビル10F((株)ABEJA内)
ホームページ  :http://www.jdla.org
理事会会員(五十音順)
理事長:松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科 特任准教授)
理事※:井﨑武士(エヌビディア(同)エンタープライズ事業部長)、上野山勝也((株)PKSHA Technology代表取締役)、岡田陽介((株)ABEJA代表取締役CEO)、岡谷貴之(東北大学 情報科学研究科 教授)、尾形哲也(早稲田大学基幹理工学部表現工学科 教授)、川上登福((株)IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス 代表取締役CEO)、草野隆史((株)ブレインパッド 代表取締役会長)、佐藤 聡((株)クロスコンパス 代表取締役社長)、南野充則((株)FiNC 取締役 CTO)
監事:渡辺英治(渡辺税理士事務所)
事務局長:岡田隆太朗
※一部就任予定者を含む
正会員(アルファベット表記順):(株)ABEJA、(株)ブレインパッド、(株)FiNC、(株)GRID 、(株)IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス、エヌビディア(同)、(株)PKSHA Technology、(株)STANDARD、(株)UEI、(株)クロスコンパス、(株)zerotoone
有識者会員(五十音順):浅川伸一(東京女子大学情報処理センター 博士)、江間有沙(東京大学 教養教育高度化機構 特任講師)、岡谷貴之(東北大学大学院 情報科学研究科教授)、尾形哲也(早稲田大学基幹理工学部表現工学科 教授)、巣籠悠輔((株)情報医療 最高技術責任者/東京大学大学院 工学系研究科 招聘講師)、中嶋浩平(東京大学大学院情報理工学系研究科 特任准教授)、松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科 特任准教授)
賛助会員:トヨタ自動車株(株)


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