ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(本社:米国ミシガン州、会長兼CEO:アンドリュー・リバリス)およびサウジアラビア国営石油会社(サウジアラムコ)は、両社の合弁事業であるサダラ・ケミカル・カンパニー(サダラ)に関して、ダウがサウジアラムコから追加で15%の株式を取得するためのプロセスについて定めた、拘束力のない覚書を締結したと発表した。現在、サウジアラムコが65%、ダウが35%の株式を保有している。今回の提案通りに取引が完了すれば、ダウとサウジアラムコはそれぞれ、サダラの株式を50%ずつ保有することになる。
「サダラは、サウジアラビア経済の多角化につながる市場重視のソリューションとして、サウジアラムコとダウによる革新的なパートナーシップによって誕生しました。この象徴的な合弁事業に関する株式保有比率の引き上げは、ダウとサウジアラムコとの戦略的パートナーシップを示す好例です。また、発展途上地域にまたがる輸送やインフラ、包装、消費者製品といった主要最終市場において、増大する消費者主導の需要を捉えることを目指すダウにとって、長期的な成長戦略に向けたさらなる推進力ともなります」と、ダウのアンドリュー・リバリス会長兼CEOは述べている。
サウジアラムコのアミン・H・ナサール社長兼CEO氏は、「世界の化学企業の中でも傑出した地位を確立しているダウとパートナーシップを結ぶことができ、光栄に思います。サダラの株式保有比率を引き上げるということは、サウジの活気あるエコシステムに対してダウが強い支持を表明したということであり、互恵的な外国直接投資モデルとして、このパートナーシップに自信を持っていることの表れでもあります。今こそ、ダウの世界的なリーダーシップが生かされ、ビジョン2030に基づくわが国の経済改革に一層の貢献が果たされる絶好のタイミングとなります」と述べている。
株式の均等化は、(i)8月31日のダウとデュポンの対等経営統合完了から18カ月以内に予定されている素材科学会社の分離と(ii)サダラプロジェクトの開発資金を調達するためのリミテッド・リコース・ファイナンスの一環として行われる、サダラの債権者による信頼性試験の完了後となる。取引によって予想される財政的な影響は、公開されていない。また、サダラの財政構造とガバナンスについて、変更はない。
第1期での建設では他に類を見ない規模を誇るサダラの化学コンビナートでは、現在、26の世界規模の生産設備すべてが稼働し、高付加価値のパフォーマンスプラスチックおよび特殊化学品が製造されている。包装、輸送、インフラ、消費者市場向けの300万トンを超える高性能製品により、サウジアラビアの広大なハイドロカーボン資源に新たなバリューチェーンがもたらされるとともに、経済および地域が多角化する見込み。
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【サダラ合弁事業】ダウ、出資比率を50%に引き上げ
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