大王製紙(株)は、セルロースナノファイバー(CNF)の研究開発を進めており、これまで300社を超えるサンプル提供を行ってきた。その中で多くのユーザーからの「水を含むものは樹脂やゴムと複合化しにくい。水分を抑えたCNFが欲しい」というニーズに対して、「CNF乾燥体」のパイロットプラントを、平成29年12月に稼働予定で同社三島工場内に設置する。
【CNF乾燥体】
これまで一部のユーザーに乾燥体サンプルの提供を行ってきたが、今回の設備の稼働によりサンプル提供を本格化し、具体的な用途開発を進めていく。
今後、CNF水分散液、CNF成形体およびCNF乾燥体の供給が可能となることで同社のCNFラインナップの拡充を図ると共に、様々な用途への展開を加速させ、事業化を進めていく考え。
《設備概要》
・生産能力:年間約10トン(最大生産時)
・稼働時期:平成29年12月予定
・設置場所:大王製紙三島工場(愛媛県四国中央市 既設の水分散液製造設備に併設)
《大王製紙CNF乾燥体の特徴》
・水分率 10%以下(※1)
・凝集を抑制する分散剤を添加して再分散性を改善(※2)
・粒度を調整できるプロセスの採用
※1、2:成果の一部は、平成27年度~28年度の環境省の「セルロースナノファイハ゛ー製品製造工程の低炭素化対策の立案事業委託業務」の結果、得られたもの。