シャープ(株)は、液晶ディスプレイの開発で培った光学制御技術を応用した「採光フィルム」を搭載し、大幅に軽量化した採光プレートを開発。ヒューリック(株)の本社ビル増築棟(東京都中央区、2017年3月1日竣工)に設置された。
同社は、表面に微細加工を施すことでフィルムの片側に様々な角度から入った光を反対側に一定の角度で出す「採光フィルム」を、2015年6月に開発した。「採光フィルム」は、建物の窓の上部に設置することで、季節による角度の変化に関わらず太陽光を効率的に天井方向に取り込み、不快なグレア(注1)を抑えながら室内全体を明るくするとともに、高い省エネ効果(注2)をもたらす。
このたび開発した採光プレートは、窓からの光を採り入れる「採光フィルム」と光を拡散させる「拡散フィルム」を一体化し、さらにガラスを用いずにアルミフレームを採用することで、従来の「採光フィルム」システムから約94%軽量化。フィルムの一体化および軽量化による組み立て工数の低減により、施工が容易となった。
注1 「採光フィルム」からの光が直接眼に入ってしまうことによる眩しさ感。
注2 千葉県柏市にあるシャープ研究所の一室において、2014年9月1日~2016年9月30日までの実績から照明用電力削減効果を検証したもの。年間で4割以上の照明用電力の削減が可能となることを確認。奥行き9mの空間において、8時~17時までの机上面照度が500lxを下回らないように照明制御した場合を想定。実際の電力削減効果は設置のケースによって異なる。