【実用材料の性能・寿命等を予測】三菱マテリアルとNIMS、「NIMS-三菱マテリアル情報統合型材料開発センター」設立

　三菱マテリアル（株）と国立研究開発法人 物質・材料研究機構 （NIMS）は、2020年6月5日、「NIMS-三菱マテリアル情報統合型材料開発センター」（(以下「本開発センター」） 設立に関する覚書を締結した。
　本開発センターでは、NIMSの情報統合型材料開発基盤に、三菱マテリアルが材料開発において蓄積した実験データや解析モデル、経験則等さまざまな要素を融合させることで、複数の素材・プロセスの組み合わせによって製造される実用材料の性能・寿命等を予測する情報統合型材料開発システム （以下「本システム」） を構築していく。具体的には、2025年までに非鉄金属、薄膜材料、無機有機複合材料等を対象とした本システムの構築を目指す。
　三菱マテリアルではIoT・AIやロボット等の革新技術を取り入れた研究開発や生産プロセスの高度化を推進しており、このたびNIMSと本システムを構築し研究開発に取り入れることで、人間が行ってきたデータ収集・解析等の大幅な時間短縮を目指す。これにより、三菱マテリアルが注力分野としているIoT・AI、次世代自動車、都市鉱山、クリーンエネルギー・脱炭素化等の分野において効率的でスピーディな製品開発が可能となり、これらの製品の提供を通じて、豊かな社会、循環型社会、脱炭素社会の構築に貢献していく。
　NIMSは本開発センター設立を、データ駆動による材料研究を進めてきた近年成果を素材メーカーの製品開発に貢献する、産官連携の新たなモデルケースとして位置づけている。今後この二者間連携によって得られた成果の普及と活用の促進を通じて、日本の素材産業全体の国際競争力の強化にも貢献できるよう努めていく。