COVID-19との戦いの最前線で使用されているN95個人用呼吸保護具の価格を不当に引き上げる行為や偽造を阻止するため、3Mが米国内および世界各地で行う措置の一環として訴訟を提起
3Mは2020年4月15日、ニューヨーク市の連邦裁判所において、Performance Supply LLCに対し、COVID-19の感染拡大防止に不可欠なN95個人用呼吸保護具の販売において、Performance Supplyに違法な価格の引き上げ行為および不正な取引行為があったと主張し、Performance Supplyを提訴した。ニュージャージーに拠点を置くPerformance Supplyは、ニューヨーク市当局に対し、3Mとビジネス提携関係にあると偽り、N95個人用呼吸保護具を3Mの希望販売価格より500~600%高い4,500万ドルでの販売を試みた。訴状では、Performance Supply LLCに対して違法行為の停止を要求する差止と損害賠償を請求している。3Mは、受領した損害賠償金をCOVID-19関連の非営利団体に寄付する予定。
3Mのコーポレートアフェアーズ担当のシニア・バイス・プレジデントであるデニス・ラザフォード氏は次のように述べている。
「3Mは、パンデミックの渦中に不可欠な3M製品の需要に違法に便乗した不当な価格の引き上げや不正および偽造などの行為を容認しておらず、今後も決して容認しません。3Mは本訴訟にとどまらず、今後も米国の連邦、州、さらに世界中の法執行当局と協力し、この危機に便乗して不法に利益を得ようとする人物や企業を調査、追及します」。デニス・ラザフォード氏はさらに次のように述べている。「3Mは社会を守るためにさまざまな法的手段を行使しており、今回の訴訟はそのうちの一部にすぎません。3Mはほかにも、法執行当局への照会、不正行為または偽造製品がみられるWebサイトの閉鎖、ソーシャルメディア上の虚偽または詐欺的なページの削除、より踏み込んだ法的措置を講じる前の第一段階として、違法行為の停止を命じる書類の送付などを行っています」。
今回の訴訟は、3Mが同社の個人用呼吸保護具の不当な価格の引き上げと偽造行為を阻止するために行っているさまざまな対抗措置の一環として実施したもの。3Mは違法行為を特定し、犯罪を犯した者に処罰が科せられるために、国内および各国の法執行当局、州の司法長官、および世界最大級のオンライン販売企業やテクノロジー企業と協力する。そして、不正行為を未然に防ぎ、発生した時点で止めることを目指す。
3Mには社外のボランティア弁護士を含めた専任の法務チームがあり、全国各地にも優秀な人材を擁している。今回の訴訟ではメイヤー・ブラウン国際法律事務所が3Mの代理人を務め、ワシントンD.C.のパートナーであるカーマイン・R・ザレンガ、ニューヨークのパートナーであるA・ジョン・P・マチーニとアンドリュー・J・カリカ、シカゴのパートナーであるリチャード・ブルガーらが担当している。
3MはCOVID-19の感染が拡大する前後での個人用呼吸保護具の販売価格の変更は行っていない。また、Google、Amazon、Facebookなどの主要なオンライン販売企業およびテクノロジー企業と協力し、偽造業者や価格操作をする人物を特定、サイトから削除し、法執行当局に通告している。
↧
【N95個人用呼吸保護具】3M、米国ニューヨーク市において不当な価格操作を行ったPerformance Supplyを提訴
↧