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【資源循環型機能材料】DICとAIST、「DIC-産総研 サステナビリティマテリアル連携研究ラボ」設立

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 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST)DIC(株)は、AIST材料・化学領域内に「DIC-産総研サステナビリティマテリアル連携研究ラボ」(以下、連携研究ラボ)では、AISTとDICの保有する基盤技術を融合することで、ケミカルリサイクルとバイオリファイナリーを基軸とした機能材料開発を行う。創り出された機能材料を新たな原料として再利用できるケミカルリサイクルに挑戦し、天然物由来原料からの材料とその評価技術の開発を進める。これにより、資源循環型の機能材料の創出を目指すとともに、低環境負荷型の循環社会の実現に貢献していく。

背景
 気候変動や深刻化する社会・環境問題など、産業を取り巻く課題が多様化する中、持続可能な発展(サステナビリティ)の必要性が高まっている。機能材料についても、地球温暖化、環境負荷、資源の枯渇といった問題の解決に資する技術の開発が求められている。
 連携研究ラボでは、カーボンニュートラルで地球温暖化の抑制に貢献するバイオベース材料や、環境負荷が低く海洋プラスチック問題低減にも寄与する生分解性材料の開発をさらに加速させるとともに、機能材料を新たな原料として再資源化する資源循環型の技術開発に取り組む。

連携研究ラボの体制
 今回設立した連携研究ラボは、AISTのつくばセンター、関西センターの2カ所に拠点を置き、複数の研究領域からなる体制で、コンカレントな研究開発を実行する。AISTは、触媒化学技術とこれを基にしたバイオマスからの機能化学品創生技術(つくばセンター)や生分解性ポリマーに関する合成・評価・解析技術(関西センター)を保有している。これらの技術と、DICが保有する有機分子設計・高分子設計技術とを融合することにより、オープンイノベーションによる技術開発を行う。また、連携研究ラボにおいて両者の人材、技術を緊密に交流させることで、質の高い人材開発に取り組む。

<用語説明>
◆連携研究ラボ
 企業のニーズに、より特化した研究開発を実施するため、その企業を「パートナー企業」と呼び、パートナー企業名を冠した連携研究ラボ(冠ラボ)をAIST内に設置している。パートナー企業は研究者・研究資金などを、AISTは研究者・研究設備・知的財産などの研究資源を提供し、パートナー企業からの出向研究者とAISTからの研究者が共同で研究開発に取り組んでいる。
◆ケミカルリサイクル
 容器包装などの廃プラスチックを熱やガスなどを使い化学的な手法で低分子に戻し、これをプラスチックや化学製品の原材料として再度容器包装などの製品を作ること。
◆バイオリファイナリー
 植物由来のデンプン、セルロースなどの多糖類や、油脂、リグニンなど、広くは農産廃棄物、食品廃棄物などのバイオマスをバイオ技術、触媒技術で燃料や化学品に変換する技術体系のこと。
◆カーボンニュートラル
 環境中の二酸化炭素の放出と吸収が相殺されて中立になっている状態のこと。

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