海洋マイクロプラスチックゴミ問題や廃プラスチックの国際的な再生処理・環境問題を克服するために、包装分野においても再生プラスチックやバイオマス素材の活用が求められている。日本包装学会は、2020年2月19日(水) 午前10時~午後4時30分まで、きゅりあん6F大会議室(東京都品川区東大井5-18-1、JR大井町駅前)において、第81回シンポジウム「海洋プラスチック問題の理解と、プラスチック包装材料の環境対応技術を考える」を企画し、未来のプラスチック資源循環社会の実現に向けた最新の社会トレンドとプラスチック包装材料の環境対応技術動向についての講演を行う。
プログラムは次の通り。
(1)10:00~11:10
テーマ:「海洋プラスチック問題、最近の動向を概観」
講 師:長谷川雅史氏((株)旭リサーチセンター 主席研究員)
要 旨:海洋プラスチック問題は、2019年6月のG20でブルー・オーシャン・ビジョンが共有され、戦略立案段階から対策実行へとステージが移行した。「海洋プラスチック」「マイクロ・プラスチック」「プラスチックリサイクル」「バイオ・プラスチック」の4つに分けて最近の動向を整理、俯瞰する。
(2)11:15~12:15
テーマ:「ケミカルリサイクルとその可能性~サステナブルなモノづくりが主流になる時代に向けて~」
講 師:石津 縁氏(日本環境設計(株))
要 旨:衣料品リサイクルを主軸事業に創業した日本環境設計は、運営するリサイクルプロジェクト「BRING」により回収した服に含まれるポリエステルを独自のケミカルリサイクルにより再生化している。今後はこの基礎技術を用いてPETボトルのリサイクルにも着手、サステナブル素材を用いたモノづくりの在り方を話す。
(3)13:20~14:20
テーマ:「サステナビリティ経営を加速するBASFのサーキュラーエコノミーへの取り組み」
講 師:讃岐 誠氏(BASFジャパン(株))
要 旨:BASFは「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」という企業目的のもと、経済的な成功、社会的責任の追及、そして環境保護を同時に実現している。今回の講演では、サステナビリティ経営を加速するBASFのサーキュラーエコノミーへの取り組み、および生分解性樹脂の位置付けを紹介する。
(4)14:25~15:25
テーマ:「「地産地消」のPETボトルリサイクルの現状と課題」
講 師:顔 宏任氏(遠東石塚グリーンペット(株) 営業本部 本部長)
要 旨:日本のPETボトルは80%超という高い回収率となっているが、回収されたPETボトルが適切に処理されているかは疑問がある。遠東石塚グリーンペットでは、日本を始め世界中で廃PETボトルの受け皿を拡大していく予定。最先端のリサイクルPET技術および日本市場PET樹脂最王手サプライヤーのノウハウを活かし、PETボトルの「地産地消」を実現する。
(5)15:30~16:30
テーマ:「セルロース素材の活用~生分解性セロファン、セルロースビーズ~」
講 師:坂田 進氏(レンゴー(株) 中央研究所 商品開発 第一部)
要 旨:1紙やセロファンはセルロース系バイオマスを原料にした素材で生分解性も良好なことから、海洋プラスチック問題の解決に向けたプラスチックの代替や使用量の削減に有用と考えられる。当社のセルロース関連製品であるセロファン、セルロースビーズ、ビスコース加工紙等を中心に、最近の開発事例もあわせて紹介する。
定員は84名。参加費は、維持会員15,000円(注1)、企業に属する個人会員12,000円、その他の個人会員および学校・公的機関の会員7,000円、エキスパート会員2,000円、学生2,000円、非会員20,000円(注2)。
注1)企業会員で1社2名以上申込みの場合は、更に1名が無料になる。4名以上の場合は1名につき10,000円の追加で参加できる。
注2)申込み時に会員登録(年会費8,000円)すれば、個人会員として参加できる。