アイカ工業(株)は、アイカ問合せセンターの対応品質の向上を目的に、自社ホームページ上にAI搭載のチャットボット※1「AIアシスタントあいか」を導入した。
AIアシスタントあいか画面イメージ
アイカ問合せセンターへの電話による問い合わせ件数は、2016年度:6.6万件、17年度:7.7万件、18年度:7.9万件と年々増加傾向にある。そこで、電話対応の品質向上と応答率の改善を目指し、18年4月にコールセンターシステム(CTI:電話とコンピューターを連携するシステム、CRM:顧客管理システム)を導入した。その結果、応答率は大きく改善した。
また、2018年度からは設計事務所向けに商品提案などのテレマーケティング活動も行い、社内の営業部門と情報を共有し、営業活動に役立てている。現在、アイカ問合せセンターでは8名のスタッフで対応をしているが、問い合わせ件数が多いために商品提案に時間を十分に取ることが難しく、テレマーケティング活動にまで至らないことが課題となっていた。
そこで、同社ホームページのトップ画面右下に、24時間365日、顧客の問い合わせに回答できるAI搭載のチャットボット「AIアシスタント あいか」を導入した。これまでアイカ問合せセンターに電話されていた問い合わせをチャットボットで回答することで、対応効率と顧客への対応品質を向上さる。また、電話でのお問い合わせ対応を減らすことで、テレマーケティングなどのインサイドセールスの拡充を図る。また、将来的に自動応答システム構築を見据えて、FAQを蓄積する。
AIチャットボットには、NTTコミュニケーションズ株式会社の「COTOHA Chat & FAQ」システムを採用した。同システムは、セマンティック検索機能※3により自然文の意味を理解し、データベースから適切な質問と回答を検索できるため、ヒット率の高いチャットボットを作成できることが特長のひとつ。また、一般用語の共通辞書が充実しているため、複数の異なる言い方でFAQを作成する必要がなく、商品の固有名詞や業界用語などを登録するだけでエンジンを構築できる。さらに、コールセンターでの活用に最適化されたシステムのため各種分析機能が充実しており、より効果的にFAQの追加や調整ができ、効率的に回答率の改善を行うことができる。
※1「チャット(対話)」と「ボット(_ロボット)_」を組み合わせた言葉で、AIを活用した自動会話プログラムのこと。入力されたテキストに対して自動的に回答を行うことで、問合わせ対応などの作業を代行することができる。
※2よくある(と想定される)質問とその回答を集めたもの。Frequently Asked Questionsの略で、「頻繁に尋ねられる質問」「よくある質問」の意味。質問に対する回答も含まれる。
※3 キーワードではなく質問の「意味」を解釈し、回答を検索する技術。本システムでは、入力した自然文の意味を理解して、データベースから適切な質問と回答を検索し、表示することができる。
【AIチャットボット導入の概要】
■チャットボット名称:「AIアシスタント あいか」
■公開開始日:2019年12月23日(月)■サービス提供元:NTTコミュニケーションズ株式会社
■採用製品:COTOHA Chat & FAQ