三菱ケミカル(株)は、AdvanSource Biomaterials Corporation(本社:米国・マサチューセッツ州、社長:Michael F. Adams、以下「ASB社」)のウレタン系熱可塑性エラストマー(以下「TPU」)事業を米国において機能性樹脂事業を展開する同社グループ会社のMitsubishi Chemical Performance Polymers, Inc(本社:米国・サウスカロライナ州、社長:Steve Gregory)を通じて買収することを決定した。2020年1月を目途に買収を完了する予定。
ASB社は、米国においてTPU事業を展開しており、同事業の製品は、主に心臓カテーテルなどの医療器具向けに使用され、米国市場で年々シェアを高めている。TPUの生体適合性、抗菌性、柔軟性といった特徴は心臓カテーテルのような体内に挿入する用途に不可欠であり、医療器具向けのTPU市場は高齢化、人体への負担軽減ニーズ、医療器具の技術革新等の背景から今後も高い成長が見込まれている。
同社の機能性樹脂事業はこれまでM&A等により世界各地に事業を拡大し、様々なエラストマー製品群を保持しているが、この度の買収により製品ポートフォリオをさらに拡充するとともに、米国での医療器具市場における材料認証と販売チャネルを獲得することにより、既存事業の拡大も加速していく。
【買収する事業の概要】
1. 対象事業 ASB社のTPU事業
2. 製造拠点 米国マサチューセッツ州ウィルミントン
3. 売上高 約300万ドル(2018年度)
4. 主な用途 医療器具用途(主に心臓カテーテル)