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【二次元通信技術】慶應義塾大学と帝 人、布状タイプ開発。ハプティクススーツも

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  帝人(株)と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科は、南山大学および Enhance Experience Inc.(本社:カリフォルニア州、代表取締役:水口哲也)と共同で、布状の二次元通信システムと、その技術を応用した革新的な触覚体験を実現するハプティクス(触覚)スーツ(*1)を開発した。本開発は、国立研究開発法人 科学技術振興機構の戦略的創造研究支援事業(ACCEL)のプロジェクト「触原色(*2)に立脚した身体性メディア技術の基盤構築と応用展開(JPMJAC1404)」(研究代表者:舘 暲 東京大学名誉教授)の研究成果を発展させたもの。
*1 ハプティクススーツ:体外からの接触(触覚)を、擬似的に再現する技術を実際に体感できる衣装。
*2 触原色:触覚を「振動」「力」「温度」の3つに大別し、それらを計測して伝達し、同じ感覚を生じ させることができる技術概念。
 帝人は、RFID物品管理システム「レコピック」に用いられる、電波を「面」で制御する二次元通信技術を使用することにより、半導体など様々な分野の製造工場、図書館、病院などの物品管理に資する事業を展開しており、近年の業務効率化ニーズの高まりから、いろいろな現場で導入が進んでいる。しかし、これまでの二次元通信技術は、固い樹脂素材にしか適応できなかったことから、柔らかい布状のものへの適応に向けて南山大学と共同開発を行い、その 結果、全身での通信や給電が実施可能な衣服として利用できるようにした。一方、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科は、触覚分野における研究を世界的にリードしており、2015年には、Enhance Experience Inc.と共同で全身触覚スーツ「Synesthesia Suit」を開発した。そして、このたび両方の研究開発成果を組み合わせることにより、簡単に装着することができ、外部からの接触を疑似的に体験することができる二次元通信ハプティクススーツを開発した。このスーツと、複合現実型ヘッドマウントディスプレイ(*3)である「マジックリープ」を用いることにより、仮想空間での体験を、視覚のみでなく、触覚も併せ体験できるようになる。
*3 ヘッドマウントディスプレイ:頭部に装着するディスプレイ装置。
 なお、本システムは、2019年11月18日~20日まで、オーストラリアのブリスベンで開催される、コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH Asia 2019 Emerging Technologies」での発表案件として採択された。
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布状二次元通信システムについて
 導電繊維と絶縁繊維で構成された布を用いて、柔軟な二次元の「面」で給電や通信を行うことができる。ハプティクスモジュール(振動子)を取り付け、頭部に装着したディスプレイから発信される映像や音声に合わせて振動させることで、バーチャルな物体との身体接触を体感することができる。二次元通信を用いることにより、従来の配線方式よりも柔軟性や耐久性が高まるとともに、用途や体型・骨格に合わせたカスタマイズが可能。また、ハプティクスモジュールの他にもセンサーやアクチュエーターを取り付けることができ、様々な用途での活用が期待できる。
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今後の展開
 両者は、このたび開発した布状の二次元通信システムを活用し、ゲーム、教育、医療・介護など、幅広い分野で用途開発を進め、数年内の実用化を目指して、共同研究を継続していく。

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