近年、災害現場など、人が近づくことが難しい場所の状況確認や救助支援のために、特殊環境下で飛行可能なドローン機体の実用化が切望されている。火災現場で利用するためには、従来のドローン機体には耐火性がないため、火災現場の上空50m前後からの遠距離空撮が限界であった。遠距離空撮には、火煙による視認性の悪さや、ブレやピントボケなど、映像品質が十分に安定しないなどの課題がある。
そこで、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2017年度から「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト※1」において、物流、インフラ点検、災害対応などの分野で活用できるドローンおよびロボットの開発を促進するとともに、社会実装するためのシステム構築および飛行試験などを実施している。同プロジェクトにおいて、(株)エンルートは、災害現場での迅速な救助活動や火災現場の状況確認を支援する300℃耐火型ドローンの研究開発に取り組んでいる。
今回、エンルートは世界で初めて※2、火災現場に進入し、近距離空撮が可能な300℃耐火型ドローンを開発した。このドローン(動画)は、300℃の高温環境下においても1分間の連続運用が可能で、人や従来型のドローンでは近付くことができなかった火元の上空5mから10mまでの近距離空撮による、鮮明で詳細な現場確認を実現する。また、現場確認時には、自律航行により操縦者の負担を軽減できる。加えて、機体に搭載したカメラ(オプションとして熱源をより詳細に把握するために、赤外線カメラを追加搭載することも可能)からの映像をリアルタイムで操縦者に伝送することで、極端な高温環境に長い時間さらされることを避けるような操縦が可能となり、機体の故障や破損を防ぐことができる。なお、高温環境下ではない常温下では、20分程度の連続運用が可能。
300℃耐火型ドローンの具体的な用途としては、消防機関のはしご車などよりも迅速な展開が可能であるとともに、従来のドローンと比較して火災現場の近距離撮影ができるため、消火活動への有効活用が期待できる。はしご車の侵入困難な狭い道路などにおける資機材配置確認、ビルや工場内の要救助者の救出ルート確認、隣接建物などへの延焼状況の把握、消火活動後の再燃防止が可能。また、山岳地帯、水辺などの災害現場においても利活用できる「消防士の空飛ぶチームメイト」を目指している。
今後、エンルートは、2019年4月から9月までの期間に消防機関を対象に、製品サンプル提供およびドローン操縦講習、モニタリング、並びに性能評価のフィードバックを進め、2019年10月から注文を受ける予定。
なお、エンルートは、2019年3月13日~15日に幕張メッセで開催される「ジャパン・ドローン 2019(第4回)」において、300℃耐火型ドローンの製品サンプルを展示予定。
そこで、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2017年度から「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト※1」において、物流、インフラ点検、災害対応などの分野で活用できるドローンおよびロボットの開発を促進するとともに、社会実装するためのシステム構築および飛行試験などを実施している。同プロジェクトにおいて、(株)エンルートは、災害現場での迅速な救助活動や火災現場の状況確認を支援する300℃耐火型ドローンの研究開発に取り組んでいる。

300℃耐火型ドローンの具体的な用途としては、消防機関のはしご車などよりも迅速な展開が可能であるとともに、従来のドローンと比較して火災現場の近距離撮影ができるため、消火活動への有効活用が期待できる。はしご車の侵入困難な狭い道路などにおける資機材配置確認、ビルや工場内の要救助者の救出ルート確認、隣接建物などへの延焼状況の把握、消火活動後の再燃防止が可能。また、山岳地帯、水辺などの災害現場においても利活用できる「消防士の空飛ぶチームメイト」を目指している。
今後、エンルートは、2019年4月から9月までの期間に消防機関を対象に、製品サンプル提供およびドローン操縦講習、モニタリング、並びに性能評価のフィードバックを進め、2019年10月から注文を受ける予定。
なお、エンルートは、2019年3月13日~15日に幕張メッセで開催される「ジャパン・ドローン 2019(第4回)」において、300℃耐火型ドローンの製品サンプルを展示予定。
300℃耐火型ドローンの概要
人間用の防火服の耐火基準が260℃(ISO17493)であることを参考値として、300℃で1分間連続運用可能な耐火性を目標値とした。機体やプロペラ部品には、耐火性があり、加工しやすく、軽量で、量産性に長けたチタンなどの素材を採用した。
機体の内部に配置した撮影用のカメラについては、熱の影響を低減するために、カメラ前面を従来のカーボン素材ではなく断熱性と透過性に優れた石英素材で覆った。石英素材による重量増加に対しては、機体のプロペラのアーム部品を従来のカーボン素材からマグネシウム(表面はチタン加工)などに変更することで軽量化を図った。
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人間用の防火服の耐火基準が260℃(ISO17493)であることを参考値として、300℃で1分間連続運用可能な耐火性を目標値とした。機体やプロペラ部品には、耐火性があり、加工しやすく、軽量で、量産性に長けたチタンなどの素材を採用した。
機体の内部に配置した撮影用のカメラについては、熱の影響を低減するために、カメラ前面を従来のカーボン素材ではなく断熱性と透過性に優れた石英素材で覆った。石英素材による重量増加に対しては、機体のプロペラのアーム部品を従来のカーボン素材からマグネシウム(表面はチタン加工)などに変更することで軽量化を図った。

サンプルモニタリングについて
エンルートは2019年4月から、消防機関を対象として、今回開発した300℃耐火型ドローンのモニタリングを開始する。モニタリング参加には、あわせてエンルートによるドローン操縦講習の受講が必要。
モニタリング受付期間:4月5日~11日まで
詳細問い合わせ先:エンルート研究開発プロジェクト推進部 高橋 TEL:048-423-0126
<注釈>
※1 ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
実施期間:2017年度~2021年度の5年間を予定
2018年度予算:32.2億円(事業全体)
ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
※2 世界で初めて
火災現場の上空5m~10mからの近距離空撮が可能な300℃耐火型ドローンの開発。2019年3月6日現在、(株)エンルート調べ。
エンルートは2019年4月から、消防機関を対象として、今回開発した300℃耐火型ドローンのモニタリングを開始する。モニタリング参加には、あわせてエンルートによるドローン操縦講習の受講が必要。
モニタリング受付期間:4月5日~11日まで
詳細問い合わせ先:エンルート研究開発プロジェクト推進部 高橋 TEL:048-423-0126
<注釈>
※1 ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
実施期間:2017年度~2021年度の5年間を予定
2018年度予算:32.2億円(事業全体)
ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
※2 世界で初めて
火災現場の上空5m~10mからの近距離空撮が可能な300℃耐火型ドローンの開発。2019年3月6日現在、(株)エンルート調べ。