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【オンライングローサリー市場】テトラパック、2030年までにアジア主要市場で7.3%アップの見通しと発表

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 <2018年10月11日、シンガポール発>食品加工処理機器および紙容器充填包装システムの世界的なリーディング・カンパニーであるテトラパック・グループ(本社:スイス、社長兼CEO:デニス・ヨンソン)が、第11号となる年次レポート『テトラパック・インデックス』を発表した。2017~22年にかけて累積年間成長率17.7%が見込まれるオンライングローサリー部門の急成長を受け、同号はオンライングローサリーの台頭やそれが食品・飲料業界にもたらす可能性について、スマート包装を活かした新たなビジネス機会創出の重要性を中心に取り上げている。
 市場調査会社カンター(Kantar)が実施した世界の日用消費財(FMCG)市場に関する最新調査結果によると、2017年3月までの12カ月間のオンラインでの売上高は、成長率わずか1.3%だったFMCG分野全体を大幅に上回り、前年比2倍の30%増を記録した[1]。オンライングローサリー部門は、世界市場の4.6%という規模の小ささにもかかわらず、今後もあらゆる販路を上回る速度で成長を続ける見通し。
 一方で、「ブリック・アンド・モルタル」と呼ばれる実店舗を主体とする業者は、消費者が希望するあらゆる時間・場所・方法に対応できる販路の整備に、再編・統合によるオムニチャンネル化を通し取り組んでいる。これは、世界各地の日用品ブランドにとって、未来の消費者のためのオンライングローサリーに関わるあらゆる革新的な可能性を模索できる機会の到来を意味している。
 テトラパックは、市場のさまざまな動向や市場間の違いを把握するため、ユーロモニターインターナショナルに調査を依頼した。主な調査結果は次の通り。
上海、バンコク、ジャカルタ
 2016~30年にかけて、オンライングローサリー市場シェアの4.2~7.3%への上昇が見込まれている「リープフロッグ・パイオニア(飛躍的先駆者)」市場。インターネットや物流基盤などのインフラの整備に加え、現代の消費者による利便性への需要の高さが、こうした成長の原動力となっている。
韓国
 画期的かつ信頼できるオンラインサービスが普及している先進市場・韓国は、高品質なモバイル向けサービスがオンライン宅配サービスの人気を支える「パイオニア(先駆者)」市場。韓国のオンライングローサリー市場は、2030年までに16年を6.5%上回る17.8%に到達する見通し。
日本
 コンビニエンスストアが高い人気と普及率を誇る先進市場・日本のオンライングローサリー市場は、2030年のシェアが2016年の2.1%をわずか1.4%上回る3.5%にとどまる見通しで、「ラガード(後期追随者)」に位置付けられる。
インド
 オンライングローサリー市場の2030年までのシェアの伸び率がわずか0.2%のインドは、アジアでも伸び率が最低レベルの「レジスター(抵抗者)」に位置付けられる。小規模な小売店に対する国民の愛着が強いだけでなく、店頭での買い物を好む傾向があるため、インドでは今後も従来の店頭販売が主流となる。

オンライングローサリーの成長を促す4つのトレンド
 テトラパック・インデックス2018では、メーカーが注目すべき4つの主要トレンドに焦点を当てている。
利便性
 消費者の利便性へのニーズは、あらゆる地域・産業の需要を促進していえう。特に買い物客が常に時間に追われるアジアでは、生活を楽にできるサービスへのニーズが高い傾向にある。たとえば、買い足しをしやすくするサービス、音声対応、利便性に優れたパッケージなどを通し、製品の利便性を高めることができる。
持続可能性
 プラスチックに対する圧力や循環型経済に関する意識が高まり続ける中、リサイクルはますます重要な要素となる。消費者は、メーカーが「正しいことをしているか」知りたがっている。
パーソナライゼーションとユニーク性
 製品のカスタマイズ化や消費者への個別対応は、今後ますます重要となる差別化の要素。こうした流れは消費者との直接交流を重視する傾向を加速させ、消費者向け包装商品を扱う企業の80%が、2025年までにこのビジネスモデルに移行すると見られている。
テクノロジーと性能
 最速10分以内の超高速宅配が2025年までに実用化されると予測されており、頻繁な少量買いが主流となりつつある中、物流ニーズもますます複雑化している。サプライチェーンは、RFID(無線自動識別タグ)やロボットなど、効率化・透明化に役立つさまざまな技術により、今後も変化し続けるであろう。

スマート包装の役割  個別のデジタルコードを主体とするスマート包装技術は、RFIDやQRコードなどの個別の識別コードを製品パッケージ1つひとつに割り当てられる技術。消費者がこれらのコードをスマートフォンで読み取ると、コードに搭載された追跡機能が起動し、膨大な量の情報を入手できるなど、魅力的な可能性が広がる。たとえば、スマート包装によるサプライチェーンを通した各製品の追跡・モニタリング・通信が可能になることで、在庫管理・流通・自動化が効率化され、個々の消費者との交流が実現する。
 日本テトラパック執行役員の鍜治葉子マーケティングディレクターは、今回のテトラパック・インデックスの結果を受け、次のように述べている。
 「日本のオンライングローサリー市場は、他国の市場と比較すると成長率は緩やかですが、年々その重要度は増しています。当社が2016年以来、投資を続けてきたスマート包装は、オンライングローサリー市場に限らず、日本においても導入が進んでいくものと考えられます。当社は今後も、市場の動向に柔軟に対応し、お客様のビジネス展開や成長を積極的にサポートしてまいります」


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