ゼオンメディカル(株)はこのたび、胆管メタリックステントの新製品「HILZO™ STENTS 胆管アンカバードステント」を上市した。編み込みタイプ*1 の「ムービングセル構造*2」により各セルを最大10㎜まで拡張できるこの製品は、閉塞性黄疸症例に使用することで胆汁の流れを改善でき、患者のQOL*3 の更なる向上に貢献する。
日本ゼオン(株)のグループ企業で医療器材事業を展開するゼオンメディカルは、循環器系、消化器系の各種デバイスを製造販売している。胆管メタリックステントとは、金属を筒状・自己拡張するように形成し、閉塞した胆管を広げて胆汁の流れを確保する処置具。手術不能な患者の場合に、生存期間中のQOLを維持するために使用される。
胆管は肝臓内に樹枝状に広がる肝内胆管から1本の総胆管となって十二指腸に至り、その中を肝臓で作られた胆汁が通る。ナイチノール*4 を材質とする「HILZO™ STENTS 胆管アンカバードステント*5」は、10mm径まで拡張できるセルから分岐する肝内胆管へさらにステントを挿入・留置することにより、樹枝状の構造を形成することが可能。これにより、胆道閉塞が原因で起こる「閉塞性黄疸」を軽減する。
*1 編み込みタイプ:金属のワイヤーを編み込んで筒状に形成するタイプ。他には金属パイプに切込みを入れ広げて網目を形成するレーザーカットタイプがある
*2 ムービングセル構造:ステントの網の交叉する部分が固定されていない形状。網目の各セルを自由に伸縮させることが可能
*3 QOL:Quality Of Lifeの略。人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念
*4 ナイチノール:ニッケルとチタンから成る形状記憶合金
*5 アンカバードステント:金属の網が表面に露出したステント。一方、膜で覆われたタイプはカバードステントと呼ばれ、カバード/アンカバードは症例によって使い分けられる
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【医療】ゼオンメディカル、胆管ステントの新製品上市。ムービングセル構造で、複数の胆管閉塞への対応が可能
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