<2018年6月5日>プラスチックス成形部品の特殊加工メーカーである佐藤ライト工業(株)は、半導体/エレクトロニクス用途向け圧縮成形母材、自動車や各種産業分野向け特殊コンパウンドなど、高機能性樹脂材料の開発および生産体制の拡充を図るため、三重県津市の「あのつ台工場(中勢北部サイエンスシティ内)」において、2018年5月下旬から第2工場の建設に着手したことを明らかにした。 このたび着工した第2工場は、グループ会社の(株)PBIアドバンストマテリアルズ(以下PBi-am)が手掛けるスーパーエンプラ材料の開発と生産を目的としている。第2工場の延床面積は1690.5m2で、2018年10月に完工、2019年1月より稼働開始の予定。なお投資額は非公開。
PBi-amは、超耐熱性PBI(ポリベンゾイミダゾール)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂やPI(ポリイミド)樹脂などのスーパーエンプラに対して炭素繊維やセラミックなど各種フィラーを配合した高付加価値なコンパウンド材料の開発と販売を手掛けている。現在PBi-amは、2016年3月に稼働開始したあのつ台工場(第1工場)と、佐藤ライト工業・亀山工場(三重県亀山市)の2拠点で各種樹脂材料の開発および生産を行っている。
PBi-amでは2017年初頭から、半導体関連分野の製造・検査装置部品などに用いられるスーパーエンプラ材料の需要が急速に高まっていたことから、生産体制の強化に迫られており、今回の第2工場建設を決めた。第2工場の完成後は、亀山工場で稼働しているPBi-am保有の各種試験装置や成形機を新工場に移設するとともに、成形機を含めた各種装置の新規導入によって、生産能力を現状の2倍程度に拡張する。
佐藤ライト工業の佐藤伸夫社長は、「当社は2012年7月に将来的な生産能力拡張のため中勢北部サイエンスシティに新工場用地を取得しました。この工場用地(平場面積・約12,000m2)は、4区画に分けて順次工場を建設する予定です。2016年3月には第一期工事によってあのつ台工場(第1工場)を稼働させており、今回が第二期工事となります。残りの2区画についても稼働状況をみながら計画を進めてまいります。」と話している。
■佐藤グループについて
佐藤グループは、佐藤ライト工業(株)を持ち株会社とする樹脂加工メーカー。三重、大分および東京を拠点に、材料開発から射出成形、超音波溶着、圧縮成形、ヒートシールといった様々な加工技術を駆使し、ユーザーニーズに適合した製品の設計・開発から組立までのトータルソリューションを提供している。同社では、独自に生産設備の開発を行うことで生産効率の向上に務めると共に、厳しい品質管理により生み出された製品は、OA機器部品・自動車部品・家電製品などの幅広い分野に供給されている。
■PBIアドバンストマテリアルズについて
佐藤グループの一員である(株)PBIアドバンストマテリアルズ(PBI-am)は、超高耐熱性樹脂であるPBI(ポリベンゾイミダゾール)の日本国内向け販売を手掛けるほか、樹脂メーカーから一次供給される材料に対して炭素繊維やガラス繊維などの各種フィラーを配合したコンパウンド材料の開発・販売を行っている。PBI-amでは顧客が要求する特性を発揮するよう、特に高耐熱性樹脂材料に対して各種フィラーの配合をカスタマイズすることにより、顧客の要望に特化したカスタマイズ・コンパウンド材料を設計し「PBi Shapes」のブランド名で販売すると共に、自社内で加工用母材、機械加工完成品および射出成形完成品を製作している。
↧
【スーパーエンプラ】佐藤ライト工業、三重県津市に第2工場建設。半導体関連分野における受注増加を受け、特殊樹脂材料の開発・生産拠点を拡張
↧