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【ディスプレイ】日立化成、中国重慶に、異方導電フィルム(ACF)により電極を接続した部材信頼性評価等を行う施設を開設

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 日立化成(株)は2018年6月に、日立化成工業(重慶)有限公司内に、異方導電フィルム(Anisotropic Conductive Film(ACF)、製品名:「ANISOLM」)を用いて電極を接続したディスプレイ部材の信頼性評価等を行う施設(以下、評価施設)を開設する。この評価施設では、電極接続後のACFの接着力測定、ACF中の熱硬化性樹脂の反応率測定*1、電極接続部分の断面観察等を行うことができ、中国内陸部のディスプレイメーカーのディスプレイ開発期間を短縮することが可能となる。
*1 ACF中の熱硬化性樹脂の硬化がどのくらい進んでいるか(どのくらい反応しているか)を測定するもの。
 ACFは、ディスプレイ部材であるガラス基板、フレキシブルプリント基板等に配置された複数の電極を一括で接続する材料で、熱硬化性樹脂の接着剤に導電粒子を分散した接着フィルム。基板回路とICチップの電極間にACFを挟み、加熱・加圧して実装することによって、上下の電極間に導電粒子が捉えられ、導電性を確保しながら、隣接する電極同士の絶縁性を両立し(異方導電性)、多数の微細電極を一括して接続することを可能にした製品。
 近年、アジア地域を中心にディスプレイ市場は拡大しており、特に中国の大型パネルディスプレイの生産量は2021年には2016年比で約3倍(大型パネルの枚数、15インチ換算)まで成長すると言われている*2。これまで日立化成は、ACFの製造拠点である日立化成工業(南通)化工有限公司や、日立化成工業(東莞)有限公司、2017年9月に開設した「インテグレーションラボ*3」(日立化成工業(蘇州)有限公司 内)等、中国沿岸部の拠点を活用し、中国をはじめとしたアジア地域の顧客への技術サービスを行ってきたが、最近は重慶市、成都市、綿陽市等、中国内陸部に工場を有するディスプレイメーカーが増えている。そうした内陸部の顧客から、ACFを用いて電極を接続したディスプレイ部材の信頼性評価等を依頼された際、従来は顧客のディスプレイ部材を、中国沿岸部に位置する日立化成グループの拠点に輸送する必要があり、評価に時間がかかっていた。
*2 出典:みずほ証券「Flat Panel Display Industry / Consumer Electronics」(2018年1月発行)
*3 日立化成が2017年9月に開設した、異方導電フィルム(ACF)のディスプレイ部材への実装、信頼性試験および解析を行う施設。
 そこで日立化成は日立化成工業(重慶)有限公司内に、ACFを用いて電極を接続したディスプレイ部材の信頼性評価等を行う施設を開設することを決定した。この評価施設では、電極接続後のACFの接着力測定、ACF中の熱硬化性樹脂の反応率測定、電極接続部分の断面観察等の各種評価・観察を行うことができ、中国内陸部のお客さまのディスプレイ開発期間を短縮することが可能になる。また、この評価施設で得た評価結果や顧客ニーズ等の情報は、先に開設した蘇州市の「インテグレーションラボ」等と共有し、ACFの次世代製品の開発に活用していく。
 今後、日立化成はこれらの施設を活用してアジア地域の顧客へのACFのさらなる拡販を進め、ACFのグローバルシェアの拡大を図る。


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