(株)三菱ケミカルホールディングスの越智 仁代表執行役社長は、4月2日の入社式において次のような挨拶を行った。
<当社を取り巻く環境>
現在、世界経済は低成長の時代に入っている。英国のEU離脱、米国をはじめとする保護主義の台頭など政治・経済の先行きは不確実性を増している。また、超高齢化社会、地球温暖化、水資源の偏在などのいわゆるグローバル・アジェンダは社会、地球の持続可能性を危うくしており、その解決は全人類の喫緊の課題である。一方、人工知能やロボティクスなど科学技術の革新的な進化は、ビジネスに質的な変化をもたらしており、新たな市場を次々と生み出している。先進国を中心に新たなニーズが続々と沸き起こる中、私たち素材メーカーにとっては、これまでにない新たな可能性とチャンスが待ち受けているとも言える。
<三菱ケミカルホールディングスの歩み>
昨年来、取り組むべき社会課題を見据え、当社としてのフォーカスマーケットを選定した。これら技術の進化、新市場の創出がこのフォーカスマーケットにおいて加速していくということは、疑うべくもない。各事業会社では、フォーカスマーケットを見据え、新たな成長加速と収益性向上に向けた戦略を策定している。また、世界最先端の製品開発力、生産技術力を作り上げるために、先端技術・事業開発室を通じて、グローバルに情報収集・活用し、オープン・イノベーションを推進させる。新たなソリューションを提供できる体制を着実に構築することで、更なる高成長、高収益型の企業グループを創り上げていく。
<KAITEKI経営の推進>
企業は、人、社会、地球の持続可能性について大きな責任を負っている。当社は、そうした世界の状況に先んじて、企業価値を財務のみに置く企業像から脱却し、イノベーションの追求やサステナビリティへの貢献など非財務価値も重視した「KAITEKI価値」を志向する姿勢を打ち出している。具体的には、資本効率の向上(MOE)に加え、革新的な製品やサービスの創出(MOT)、人類、社会、地球の持続可能性向上に資するソリューションの提供(MOS)の3つの価値の総和を企業価値として、この価値を高める「KAITEKI経営」を推進している。私たちはさらなる企業価値向上のための重要な施策として、一昨年来、健康経営に取り組んでいる。個人の心身健康度・満足度の向上、働き方改革と組織の活性化、生産プロセスの安定化、業務の自動化・高度化、業務環境の快適化などを、経営のリーダーシップの下で広範かつ強力に実現し、当社の生産性と創造性を限りなく向上させていく。これら一連のKAITEKI健康経営に加え、組織の一体感の下で多様な人材の個性や実行力を有機的に結合して強靭なダイバーシティを実現し、さらに、世界のあらゆる企業やベンチャー、アカデミアと戦略的なネットワークを形成することで不断のイノベーションを創出することにより、弛まず企業価値を向上させていく。
<新入社員の皆さんへ>
地球環境と人間社会の持続可能な発展のために「KAITEKI価値」を提供し、自らも大きく成長することを使命とする「THE KAITEKI COMPANY」一私たち三菱ケミカルホールディングスグループの一員となった新入社員の皆さんには、次の3点を深く心に刻んでほしい。
1.熾烈な競争を勝ち抜くために、すべてのチャンスを活用し「貧欲に学べ」“Curiosity”
2.自らの業務役割を深く考え、行動を起こし、責任を持ってやり遂げよ。「仕事のプロになれ」“Deep Insight”
3.失敗を恐れず新たなフィールドへ果敢に挑戦し、価値を創造し続けよ。「積極的に行動せよ」“Active Thinking”
新入社員の皆さんの積極果敢なチャレンジに期待する。
↧
【2018年入社式挨拶】三菱ケミカルホールディングスの越智 仁代表執行役社長
↧