宇部エクシモ(株)は、炭素繊維の三軸織物を用いたCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)を、サカセ・アドテック(株)(福井県坂井市、社長:酒井慶治)と共同開発した。
製品は、「第8回クルマの軽量化技術展(会期:2017年1月17日~19日、会場:東京ビッグサイト)」に出展される。
新開発の三軸CFRTPは、世界で唯一、三軸織物を工業製品化しているサカセ・アドテックが炭素繊維の三軸織物を製作し、これに宇部エクシモが独自のラミネート技術を用いて樹脂フィルムを張り合わせ含浸させた。
サカセ・アドテック(株)社製 三軸織カーボンシート
三軸織物は、繊維を三方向に織り込み、安定構造である「正六角形」の集合体を造ることで、あらゆる方向に等しい特性を持つ。二軸の平織などと比べ、立体成形した場合のシートの追従性が高い。また、成形後は繊維の交点で負荷を三方向に分散するため、非常に軽量ながら形状安定性に優れている。
想定している用途は、主に電子機器、スポーツ・レジャー用品、自動車分野での加飾用材料や各種構造材等で、昨今これらの分野では、軽量・高強度で、かつ意匠性にも優れた素材のニーズが高まっており、現在、複数の顧客で採用に向けた評価が進んでいる。
宇部エクシモでは、独自の高温かつ均一に圧力をかけることのできる高度なラミネート技術を有しており、従来から高品質で付加価値の高いFPC基板材料等を提供してきた。張り合わせが可能な素材も、炭素繊維やガラス繊維など各種繊維素材の他に、銅やアルミ、ステンレスなどの各種金属素材があり、これらとポリイミドや液晶ポリマーなど各種樹脂フィルムとの組み合わせが可能で、多様なニーズに応える製品の開発に取り組んでいる。