DIC(株)の100%子会社サンケミカル社(米国・ニュージャージー州)は、UV硬化型インキの大手メーカーであるジュールス オングストローム U.V. プリンティング インクス社(Joules Angstrom U.V. Printing Inks Corp.、米・オハイオ州、以下JA社)を7月に買収した(投資金額は非公開)。
紫外線(Ultra Violet:UV)照射により硬化するUV硬化型インキは、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各印刷方式で用いられている。長時間の乾燥工程が不要なため生産性に優れ、また有機溶剤をほとんど使用せず環境への影響が少ないことなどから、世界的に需要が拡大しています。近年、各社が開発を進める、出力を抑えた減灯タイプのUVランプや電力消費の低いLEDランプにより硬化する高感度UVインキの採用増加も、この傾向を後押ししている。
UV硬化型インキは今後も堅調な需要の拡大が期待されており、グローバル市場は2020年に2015年比で20%以上成長すると、サンケミカル社では見込んでいる。
JA社は北米を基盤とするUV硬化型インキの専業メーカーであり、高い技術力とサンケミカルの製品群に対して補完的な製品ポートフォリオを有しています。サンケミカルの技術・グローバル販売網との融合により、革新的なUV印刷インキソリューションを顧客に提供していくことが可能となる。
サンケミカル社ではこのたびの買収により、北米におけるUV硬化型インキを含むエネルギー硬化型インキでトップシェアの地位を磐石化していくとともに、欧米を中心とした拡販体制を更に強化していく。